──まだ撮影が始まったばかりかと思いますが、現場ではどんなことを意識していますか?
ホットラインが鳴ることを予感して朱羅(松本若菜)が「(ホットラインが)来る」と言ったあとに、保の「何が?」というセリフがあるのですが、この「何が?」の言い方一つで、現場の緊張感の伝わりが変わってくるな、と思っていて。
保は初期研修医なので、まだまだ医療について知らないことも多くて、視聴者の目線に一番近いキャラクターだと思いますし、保を通してこの作品を見ていくことになるというか。そういう意味でも重要な役やなと感じています。
朱羅の魅力を引き立てるのも、殺してしまうのも僕が演じる保次第。監督からは「全話を通して一番成長を感じさせるのは保」とも言われていますし、大事なキャラクターなので気を引き締めて撮影しています。
──保はどのような人物だと捉えて演じていますか?
ポジティブな意味で、“なんとなく”で生きてるんやなって感じがしますね。実家が皮膚科クリニックを経営しているので、「将来、自分も医者になるんだろうし勉強しなきゃ」くらいに思っていて、「医者になって命を救いたい」という強い思いがあるわけではなくて。
帝釈総合病院での研修も、たまたま救急科に配属されて、仕事をこなそうとしているだけですから。ただ、スタートは“なんとなく”ですが、朱羅をはじめたくさんの人と出会うことでどう変わっていくのか、成長はしっかりと表現できたらと思っています。

──衣装を着た感想を聞かせてください。
できなさそうやな、って感じ(笑)。このメガネが…ちょっと頼りなさそうな、可愛いキャラクター感を引き立ててると思います。
衣装合わせで白衣やスクラブはすぐに決まったんやけど、メガネ選びは少しだけ時間がかかりました。5本くらいかけて、「どれが一番冴えへんやろうか」とみんなで悩んで、今のちょっと縁の太いものに決まりました。
その時に、監督から「意外と肩幅があるね」「ちゃんとして見えちゃうから、肩幅を狭めて」と言われて。撮影では、できるだけ胸を張らへんように意識しています。
──医師役をやるために準備したことはありますか?
心臓マッサージのやり方、点滴の打ち方などは事前に教えていだいてから撮影しています。その時点で、セリフとは別の部分でこれだけやらなきゃいけない動作があって、その動作に付随する医療用語もあって、医療ドラマって大変やなとびっくりしました。
──動作もですが、医療用語を覚えるのは大変ではないですか?
母が、国内外の医療ドラマをめっちゃ見るんです。その影響で、僕も医療ドラマが好きやし、たくさん見ていたので、ちょっとだけ医療用語は聞いたことがあるなと思っていました。
ただ、その用語の意味は全然理解できてへんかったので、台本に出てくるたびにネットで調べて覚えています。それは大変ですけど、好きだった医療ドラマの世界観に入り込めることが、すごくうれしいですね。