──今回共演する柚希礼音さん、夢咲ねねさんの印象を聞かせてください。
坂本:宝塚出身の方とは共演させていただくことが多いのですが、いつも思うことがあって。稽古の合間に雑談をするときなどは、キラキラした世界から下界におりてきてくれる感じで、すごく親近感が湧くんですよね。でも、いざ稽古や本番が始まると、経験や引き出しが多くて「やばい、遅れをとった」と思わされるんです。
ご挨拶をさせていただいて、お2人とも柔らかい感じの方でしたが、たぶんお芝居をするときにはパッと切り替わって…ある意味、僕の気持ちを引き締めてくれる存在です。
──お互いに刺激を与えあう関係性ということでしょうか。
坂本:ビシッとしなければいけないな、とは思っています。
ただ、僕はあまり座長と言われるのが好きじゃなくて。ステージに立つ人はみんな同じ、みんな主役だと思っていますし、それぞれの責任で仕事を全うするべきだと思っているので、僕が稽古場を引っ張るということはないんですよね。
その仕事を全うしようと思って、休憩中にも台本とにらめっこしているからか、共演者にだいたい「(最初は)話しかけづらかった」と言われてしまって(笑)。もう少しリラックスして臨めるといいんですけど。
演出・振付のビル・ディーマーの印象は?坂本昌行が『TOP HAT』で受けた“恩”
──今回は、増田さんが空気づくりや“リラックス”の部分を担うわけですね。
増田:そうですね。
坂本:そうですねって言った(笑)。ありがとう!
増田:もともと僕は、稽古場で“話しかけづらいオーラ”はゼロなので、みんな話しかけてくるんですよ。だから、いろんな人とたくさん話をするじゃないですか。
いざ、稽古が始まると、話しかけてきた人はみんなセリフを覚えてるのに、僕だけセリフが入っていないってことも多くて。僕だけ台本を持っているみたいな(笑)。そんなこともありますけど、今回の稽古場の空気づくりも頑張ります。
──増田さんから見て、柚希さん、夢咲さんの印象はいかがですか?
増田:稽古前でまだお会いしていないのですが、プロフィールを拝見して、夢咲さんと誕生日が一緒だと知って。7月4日、アメリカの独立記念日なんですけど。独立記念日の話は劇中にも出てきますし、最初にその話をしようと思っています(笑)。

──演出・振付のビルさんの印象はいかがですか?
坂本:『TOP HAT』という作品で一度ご一緒しているのですが、非常に繊細で、かつ情熱的という印象です。そして、今まで経験したことのないことを経験させてくれる方ですね。
前回は公演中に体を痛めてしまったのですが、それもすぐに対応してくれたし、いろいろなケアをしてくれました。その恩返しの意味も込めて、今回「新しい作品をつくりたい」と話しているビルの思いを100%に近い形で具現化できればと思っています。
──ビルさんとのやり取りなどで印象に残っていることはありますか?
坂本:痛めたのが膝だったのですが、ビルも過去に同じところを痛めていたようで、サポーターをくれたんです。僕にとってそのサポーターはお守り代わりになって。
先日久しぶりに会って話したときに「ビルからもらったサポーター、ずっと使ってるんだよ」と言ったら、「さすがにくたびれたでしょ。新しいの買うよ(笑)」と言われて。日本では売っていないサポーターなので、買ってきてくれるのを楽しみに待ってます(笑)。
──増田さんは、ビルさんにどんな印象を持っていますか?
増田:1度ご挨拶をさせていただいたのですが、本当に明るくて、パワフルな方でした。僕の出演作もいくつか観てくださったようで、「ダンスをしながらこんなに歌えるのいいね!」と褒めてくれて。
タップについても、経験がないからと不安を伝えたら、「全然大丈夫!君に合わせて変えちゃうから!」と(笑)。この人とだったら楽しくものづくりができそうだなと感じました。