<コラム>『最高のオバハン中島ハルコ~マダム・イン・ちょこっとだけバンコク~』第9話
冬ドラマもいよいよ終盤に差しかかってまいりましたが、今クール№1「ひどいセリフ大賞」が本ドラマにて決定いたしました!!(突然)
亡くなったきく江ちゃん(藤夏子)の畑を、急にいづみ(松本まりか)が守りなさい!とか言い出したハルコ(大地真央)がトドメ…。
「わたしの周りで、棒に振ってもいい人生を送っているのは、いづみさん…あなたしかいないのよ?」
…いやひどい!!マジでひどい!!!ここまで人のことをコケにしたセリフ、聞いたことがない!!!(褒めてます!)
演出上なのかなんなのか、大地真央さんの美しい声色で、最後の“いないのよ?”がやさしく語りかける風情なもんだから、“なんかいいこと言ってる感”がなくもないし、そのひどさが煙に巻かれそうではあるんだけど、本質はとんでもなくひどい!!
“棒に振ってもいい人生を送ってる”…って、改めて噛みしめてみるとホントにひどい!!今期ドラマ、タイトルに“地獄”だとか“復讐”だとか、“偽装”やら“最低”やら、一見物騒な気配のドラマがわんさかラインナップされてるんだけど、今クールにおいて間違いなく最大級の“ディス”なひどいセリフ…それは「棒に振ってもいい人生を送ってるのは、あなたしかいない!!!」に決定です。
で、これ、さらにひどいのは、足かけ4年、シーズン3にもわたって、丁寧に丁寧に育んできた(いや雑に雑に育んできたともいえる?)、主人公の相棒である、いづみに対する、ここへきての評価が「棒に振ってもいい人生」ですからね。しかも、前々回あたりで、いづみは再びの大失恋をしちゃってるわけで、ハルコってば容赦がなさ過ぎだし傷口に塩塗るどころの話じゃない。
いや、だけどだけど、さすがのいづみ。この聞いたことないレベルの最大級の“ディス”、ひどいセリフに対するその返しが…。
「いつもながらに、ひっでぇ言われようだぁ~♪」
聞いちゃいねーーーーーーーーーーー!!!!!いや違った、あんなにディスられてるのに、全然全く、効いちゃいねーーーーーーーーーーーー!!!!!
己の人生否定されるレベルのひどいこと言われたはずなのに、まったく効いちゃいないどころか、憤りの“い”の字もありゃしないし、あのセリフに対してあそこまでカジュアルに返答できちゃう、いづみの胆力凄(すさ)まじき!!
で、視聴者も視聴者で、ハルコはあのセリフを何ら悪気なく言えちゃう、コメディとして昇華できちゃうからこそハルコ!!って思ってるし、あのセリフに対してまったくもって微動だにしないことに加えて、“そんなこと言われる私”を自虐以上にチャーミングに仕立てることができる、いづみだからこそのいづみ、とも思ってるわけで。
うん、そう。ここまで、あのたった数秒の一連のシーンで、ずいぶん長くなってしまいましたが、とどのつまり、ハルコ&いづみ、最高!!ってことです(いや、最低なのかも…最高と最低は表裏一体!!)