藤原竜也 難解なセリフに苦戦でドラマ『全領域異常解決室』の現場は異常事態！？“頼もしいパートナー”広瀬アリスの明るさが「支えに」

──それぞれが演じる興玉雅、雨野小夢をどのような役だと捉えて演じていますか？

藤原：興玉は掴みどころのない役ですね。同じような役を、小日向（文世）さんや名のある役者さんが一生懸命演じるのが面白いと思いますし、我々がこの作品をやる意味なのかなと思っています。

広瀬：小夢は、「オカルトなんて絶対信じません！」と言っているので、オカルトを信じていない方がこの作品を見たときに楽しんでもらえるきっかけの人物になればいいなと思っています。

あとは、序盤は興玉さんに振り回されている役なので、必死についていきたいです。

──2人の温度差も見どころになりそうですね。

広瀬：そうですね。会話のテンポがすごくいいので、そこをうまく演じられたらと思っています。

──事前に準備したことはありますか？

広瀬：パーマをかけました（笑）。お芝居に関しては、作り込まずナチュラルにと言われていたので、台本を読んで純粋に感じたものを表現するようにしています。

藤原：僕は、神話などの知識を軽く頭に入れました。そうしなければ成立しないセリフが多かったので。

広瀬：毎シーン、説明セリフが本当に多いですよね。

藤原：見ていれば分かることを僕はいちいち説明しているんだよね。だから、知識を入れておかないといけなくて。「ここまで言わなければいけないのか…？」など、いろいろな思いをグッと堪えて現場に立たせてもらっています（笑）。

──お互いの役の魅力はどのように感じていますか？

藤原：冷静に対応しなければいけないけれど、興玉としてはどうにか雨野さんをこちら側に引き込みたい（未確認生物に興味を持ってもらいたい）と強く思っている。雨野さんにはそう思わせる魅力がありますし、広瀬さんの等身大の良さが出ているといいますか、純粋でストレートなのがいいなと感じています。

広瀬：台本を読んだときにあまり藤原さんが演じる興玉さんのイメージが湧いていなかったんです。でも、撮影に入る前に藤原さんと小日向さんと3人でリハーサルを少しだけさせていただいたのですが、そこですごく難解な長ゼリフを完ぺきに言っていらして。それを見たときに「あ、興玉だ」と思いましたし、「変な人…」とも思いました（笑）。

ただ、そこで小夢が興玉に引き込まれるというか、ついていってしまう気持ちがすごく分かったんです。そういうミステリアスなところが魅力です。

──撮影現場の雰囲気はいかがですか？

藤原：みんな自分のセリフしか読んでないですよね（笑）。

広瀬：ははは！

藤原：昨日もユースケ（・サンタマリア）さんたちと撮影をしていましたけど、みんな「藤原くん、こんなこと言ってたんだ」って。これだけは自信を持って言えますが、この現場で一番台本を読みこんでいるのは僕です（笑）。

広瀬：いや、昨日のシーンに関しては、英語だったので！私も台本はちゃんと全部読んでます！でも、英語は…（笑）。

藤原：劇中に出てくる未確認生物を表すUMAという単語、その正式名称は「Unidentified Mysterious Animal」なのですが、本番前に言いづらいなと思って、演出部に大きい字でカンペを書いてもらったんです（笑）。皆さんの現場での佇まいを見ていて、少しでも負担を減らして、台本を読みこむことに専念しようと思って、UMAは最後までカンペを出してもらうことにしました。

今回、言葉が本当に難しいんですよね。興玉雅っていう名前もそうだし、全領域異常解決室もそうだし。そもそも、「世界最古の捜査機関」と言われてもピンとこないし（笑）。

広瀬：そうなんですよね（笑）。

藤原：ヒルコという謎の神のような存在が出てきますが、ユースケさんはずっと「卑弥呼」って、違う神の名前を連呼していましたし。

広瀬：全領域異常解決室も言えてなかったですね（笑）。

藤原：「全粒粉」って言ってましたね。それだけ、我々も何が何だか分からないという異常事態になっていまして、現場は連日押しています（笑）。そのなかで、広瀬さんの存在は本当に支えになってます。

広瀬：よかったです！