ムロツヨシ 平手友梨奈とのコンビに自信「ちょっとした伝説が始まった」

ムロツヨシさんと平手友梨奈さんが、お互いの印象と“コンビ感”について語りました。

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54年ぶりに復活するフジテレビ金曜21時のドラマ枠で『うちの弁護士は手がかかる』が放送されます。

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本作は、人気女優を育てた芸能事務所の元敏腕マネジャーの主人公・蔵前勉（くらまえ・べん）が、ひょんなことから超エリートなのに猪突（ちょとつ）猛進な性格で空回りしてしまう新人弁護士・天野杏（あまの・あん）に振り回されながら、パラリーガルとして奮闘し、次第に互いを認め合い最強バディに成長していく姿を描く、育成型リーガルエンターテイメント。

＜ムロツヨシ×平手友梨奈が最強バディに『うちの弁護士は手がかかる』放送！＞

フジテレビュー!!は、蔵前を演じるムロツヨシさんと杏を演じる平手友梨奈さんにインタビュー。始まったばかりだという撮影現場の雰囲気やお互いの印象、“コンビ感”が増したと感じたエピソードなどを聞きました。

──撮影現場の雰囲気はいかがですか？

ムロ：非常にいいです。撮影前に監督をはじめ、プロデューサーさんと何回かお会いして、雑談を含めたお話をして。今日しているループタイもそういった話の中で出てきたアイデアです。

平手さんとも一度じっくりお話する時間を設けさせていただいて、撮影の初日を迎えるために助走の時間がとれてよかったな、と。映像作品をやってきた中で、本当に最高の撮影初日を迎えられたと思っています。

平手：監督をはじめ、主演のムロさんを含めた現場の雰囲気がすごく良くて。温かい現場だなと感じています。

──事前に監督と話したとのことですが、役について「こう演じてほしい」などというリクエストはありましたか？

ムロ：すごく記憶に残っているのは、監督から言われた「フラットなムロさんを見たい」という言葉。

「僕の勝手なイメージなのですが」という前置きがあったうえでそう言っていただいたのですが、確かに最近テレビでは歴史上の人物だったり、ストーリー上で“暗な部分”を任せていただいたりすることが多くて。だから、久しぶりに肩の力を抜いてといいますか、“いつもの感じ”でストーリーを背負っていただけないか、という話がありました。役の話というよりも、スタンスの話でした。

そういった話を受けて、台本の感想や、「このセリフを自分に近づけるするとしたら、こういう言い方のほうが」と、準備稿の段階から言わせていただき、それを取り入れていただいている部分もありますね。

平手：私も何度か撮影が始まる前にスタッフの皆さんとディスカッションをさせていただきました。そのなかで、これはムロさんからもですが、「意見やアイデアをたくさん言ってください」と言っていただいて。自分も意見を出していいんだ、とうれしく受け取っています。

──初共演となりますが、事前に持っていたお互いの印象を聞かせてください。また、撮影を通して印象の変化はありましたか？

ムロ：クールビューティといいますか、見た目も性格もクールな印象でした。

僕らの世界はみんな人見知りですから、そこからお互いにいい意味で遠慮しながら会話をして、少しずつ歩み寄っていくだろうと思っていたんですけど…いざ一緒にお芝居をさせていただいたら、「そこまでやってくれるんだ！」と、受け皿が想像していた以上に大きくて。そこのイメージが変わりましたし、その受け皿の大きさをうれしく思いながら毎日撮影しています。

平手：ちょっと…ハードルが上がっちゃいます…（笑）。

ムロ：違う、違う！そういうつもりじゃないんだけど（笑）。本当に僕が思わないことまでやってくれるので、やりがいがあるなと思っています。平手さんが本当に好きなこと、思いついたことをやっていただくと、それに返すことで僕の世界も広がるんですよね。

それに、天才新人弁護士に翻弄される、もしくは翻弄されたフリをしながらマネジメントをするパラリーガルの話なので、事前にお話したときに「平手さんが自由自在に、自分が思うままにやっていただくほどこの話は面白くなるので、もしよければ思ったことをやっていただけませんか」とお伝えしていて。その言葉が思った以上に響いていることが本当にうれしかったです。

──平手さんは、ムロさんにどのような印象を持っていましたか？

平手：内村（光良）さんとコントをやられているところをずっと見ていたので…。

ムロ：NHKさんですね。

平手：そのイメージが強かったです。でも、現場に入ると、キャラクターとして存在してくださっていて…本当にマネージャーっぽいところもあって（笑）。私が何かやらかさないかとヒヤヒヤしながら見守ってくださっていたり、無理矢理組まされたバディだけどちゃんとやるところはやってくださっていたりしていて、愛情みたいなものを感じています。すごく温かい蔵前です。

ムロ：ありがとうございます。

──お互いが演じる蔵前と杏の魅力的に感じる部分を聞かせてください。

ムロ：蔵前から見る杏は、自分にないもの、間違いなく真逆なものを持っています。それが美しいと思えたり、魅力的に見えたりするのが蔵前の良さでもあって。あとは、嫌というほどの器用貧乏な蔵前は、人の考えに合わせられるし、いろいろなことで65点とか70点くらいは取れてしまう人間。でも一つのことで100点が取れないから、マネージャーという裏の仕事をやっているんですよね。

女優・笠原梨乃（吉瀬美智子）という、自分にはない魅力を持って、人前で輝きを放つ人のマネジメントをすることで生きがいを感じていました。その後に出会った杏は、天才的な自分のテンポを持っていて、独自のギアで動く人で。そんな杏を見て「自分はこの人に何かできるんじゃないか」と思えるぐらいの惹き付けられたんだと思います。

最初は戸惑いますが、杏の説明書がない感じこそが魅力ですね。

平手：杏から見た蔵前も同じで、杏の持っていないものを持ってます。台本を読んでいても、ムロさんのお芝居を見ていても、蔵前の器用なところが魅力的だなと感じています。

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──ムロさんは、出演が発表された際に「平手さんのいろんな“っ気”を引き出せたら」とコメントしていましたが、現時点で見つけた“っ気”を教えてください。

ムロ：茶目っ気、照れっ気はもう結構引き出していると思うんですけども（笑）。

平手：（笑）。

ムロ：この前初めて、シーンの待ち時間に2人きりで話すタイミングがありまして。そこで「今までの撮影で良かった点、気になった点があったら教えていただきたいです」と、すごく丁寧に質問をしてくれて。

今、いろいろとハラスメントの問題もある時代なので、この世代間で会話をするのって、本当に怖いと思うんです。僕らのほうも。何がアウトで、何がセーフで、もしくはそんな線引きは存在しないかもしれないし。そういう中で、踏み込んでくださったことがすごくうれしくて。今度は僕が、そこで交わした会話をプラスに変えていかなくちゃいけないな、と思っています。

何が言いたいかというと、“そんなすぐに質問してくれるっ気”は想像していなかった、ということです（笑）。

──平手さんがこれまでの撮影で見てきたムロさんは、どんな座長ですか？

平手：ムロさんがいるだけで、現場の雰囲気が全然違います。その明るさにいつも助けられています。

ムロ：ただ「よっ！」って言ってるだけですから（笑）。

平手：そんなことはないです！

ムロ：これから香澄法律事務所の皆さんとの撮影が始まると、また雰囲気が変わってくると思うので、そこからまた出てくるムロの座長っぷりを、早く平手さんにお見せしたいです（笑）。

平手：ふふふ（笑）。

──すでに息が合っているように見えますが、撮影が進むなかで、“コンビ感”が増してきたなと思う瞬間はありましたか？

ムロ：先ほど言った、2人きりで少し会話ができたこともそうですし、2人でエアホッケーをしたこともあったね（笑）。どっちか、負けず嫌いが出るかなと思ったら…。

平手：どちらも早く片付けたくなっていて（笑）。

ムロ：途中からたくさんパットが出てくるパターンのやつだったんです。それに驚いて、2人とも勝ち負けがどうでもよくなっちゃってね（笑）。

平手：勝負ですから、せっかくなら勝ちたいと思っていたんですけど（笑）。

ムロ：処理するので手一杯になっちゃって（笑）。あの瞬間は同じ感情になれた気がしています。

──最初に会ったときには、ムロさんだけが話して終わったと聞きましたが、そこからは進展しているということですね。

ムロ：初めてお会いしたときは、100対0で僕だけが話していました（笑）。僕らの世代って、間が怖いんですよね。

平手：世代なんですか？

ムロ：いや、僕だけかもしれない（笑）。とにかく怖いから話しちゃうんですよね。質問をして「うん」とうなずいたらすぐに次の質問をして。帰りのエレベーターで、「平手さんの声をひと言も聞かなかったな…」、「俺は嫌われてないだろうか」と思っていました（笑）。

平手：嫌うなんてことは全然ないです（笑）。

ムロ：そこから少しずつ会話ができるようになりましたね。

──主人公の蔵前は元芸能マネージャーで、杏を支えるパラリーガルですが、蔵前のような“裏で支えてくれている人”の存在に対して思うことを聞かせてください。

ムロ：僕は、自分でなんでもできると思っていた人間なので、周りに人がいなかった時期もありました。逆に人に頼ることで客席に人が集まったという経験もしているものですから、ありがたみは感じています。

今この空間にマネージャーがいるので、あまり褒めたくないんですけど…自分が撮影を終えてお酒を飲んでいる時間にも営業をしてくださったり、自分のことを考えてスケジュールを調整してくださったりしていることは本当にありがたいです。

その分、スケジュールとして組まれた時間は全力で仕事をやらなきゃと思わせてくれていて。遊ぶときは遊んで、人前に立ったときに、作品を見てくださった方々に何かを与えられるように、感じてもらえるように、褒めてもらえるように、貶してもらえるように、全力を尽くさなければと思います。そう思わせてくれるマネージャーの存在はすごいなと思いますし、日々感謝しています。

それはマネージャーだけではなく、ドラマづくりでも、プロデューサーさんが企画を立ち上げてくれなければ僕たちの居場所はないし、脚本家さんがセリフを書いてくれなければ吐く言葉はないですし、演じても撮影してくれる人がなければ人に見てもらえない世界ですから。

そのありがたみを持って、しっかり全力で演技をしなきゃいけないな、と思っています。

平手：私も日々感謝しています。それは、今目の前にいる皆さんだけではなく、今まで自分と関わってくださったことのある方、皆さんに対してです。そして、お世話になった方には、何か少しでも恩返しができたらいいなという気持ちでお仕事をさせていただいています。

──今年も残すところあと約3ヵ月になりました。年内にやっておきたいことはありますか？

ムロ：それはもう、皆さまの記憶に残るドラマをこれから作るということですね！ちょっとした伝説が始まったところですから。…字にするとちょっと恥ずかしいので、考え直します（笑）。

平手：私もこの作品を最後まで届けられるかどうかが一番だと思っています。

ムロ：やっぱりこの3ヵ月は、それになりますよね。

──そんな今年を経て、来年やりたいことを聞かせてください。

ムロ：『うちの弁護士は手がかかる』のシーズン2。それから、映画も含めて、このコンビを多くの人に届けられるような2024年にしたいです。…ふふふ（笑）、まだ始まってないのに続編の話はないね！まずは今頑張らないと。来年は、またいろいろな分野で活躍する平手さんを応援したいです！

平手：ありがとうございます。

ムロ：今はオンエアに追われて大変なこともあると思いますが、いいものを、面白いものを、さらに自分たちも楽しめるものを頑張って作っていきます！

──最後に、視聴者の皆さんへドラマの見どころ、メッセージをお願いします。

平手：毎週、このコンビに会いたいな、と思っていただけるような作品になったらいいなと願っています。

ムロ：凸凹であり、ギャップだらけのバディがどうやって一つの物事に取り組み、解決していくのかを楽しみに見ていただけたらなと思います。昔ながらの懐かしさも感じてもらえる作りにもなっていますし、逆に平手さんのような若い世代の皆さんにも楽しんでもらえるものを作っております。どうか親子で、友達同士で、カップルで見ていただけたらうれしいです。画面の中でお待ちしております。

撮影：今井裕治