『うちの弁護士は手がかかる』第10話完全版
「香澄法律事務所」に、蔵前勉(ムロツヨシ)のマネージャー時代の仲間で、元カノでもある安藤カオリ(安達祐実)がやってくる。
ウワサの元カノに会えた、とテンションが上がってしまう所長・香澄今日子(戸田恵子)たち事務所の面々。
実はカオリは、女優・笠原梨乃(吉瀬美智子)が脱税の罪を償い、復帰をした際には彼女のマネージャーを務めることになったため、老舗和菓子店の「みかん大福」を持って迷惑をかけた関係各所を謝罪行脚中だった。
カオリが元カノであることを、なぜか天野杏(平手友梨奈)まで知っていることに動揺する蔵前。
そこに、杏とは親しい間柄らしい大橋いずみ(志田未来)という女性が訪ねてくる。政治家なども利用している青海医大病院の看護師をしていたいずみだが、ある日突然、退職金1000万円を積まれて退職届を書くよう迫られたという。
いずみは、同病院の顧問弁護士を務めていた杏の父・昌幸(山崎一)の最期を看取ってくれた看護師だった。
一度は退職手続きを断ったものの、周囲がよそよそしくなったこともあり、先月自主退職したといういずみ。
しかし、「看護師の仕事が好きだから悔しくなった」と言い、その思いを受け止めた杏は、彼女の依頼を引き受け、蔵前とともに青海医大病院を訪れる。
いずみは、後輩看護師からは慕われていたが、看護師長の水島多江子(阿南敦子)によれば遅刻や欠勤が常態化していたらしい。
そこに、オペを終えた外科医・武藤慎一(浅香航大)が通りかかる。蔵前たちがいずみの件を調べていると知った武藤は、いずみが患者からも慕われていたことを認めた。
そんな中、蔵前たちは、ベテラン看護助手の富江田トミ子(大島蓉子)から、7年前、手術を終えた後に患者が亡くなり、その後すぐにある看護師が今回のようにいきなり辞めさせられたことがあったという情報を得るが…。
杏の姉・天野さくら(江口のりこ)から呼び出された蔵前と杏は、「天野法律事務所」を訪れる。
そこでさくらは、杏には弁護士資格がない、と告げた。杏を弁護士にしたいと願っていた昌幸が手を回して合格させたというのだ。
ショックを受けた杏は、恩師の椿原(野間口徹)を訪ねて確かめようとするが、椿原は、「安心して。僕は誰にも言わない。この話は墓場まで持って行く」と言う。
椿原のもとを後にした杏は、胸につけていた弁護士バッジを川に投げ捨て…。
蔵前は、今日子に経緯を報告し、行方が分からなくなった杏を探す。
山崎慶太(松尾諭)や辻井玲子(村川絵梨)ら事務所のメンバーも、プライベートの予定を変更して杏の行方を追う。だが、杏は見つからなかった。
すると、蔵前の旧友・麻生一郎(津田健次郎)から、杏が訪ねてきたという情報が入る。さらに杏は、「ヤマトテレビ」の吉岡恵理子(入山法子)やスパーリング中の事故の件で依頼を受けた大学ボクシング部の上畑健(嘉島陸)にもみかん大福を持って会いに行っていた。
杏が、カオリを真似て謝罪行脚をしているのではないかと推察した蔵前は、次に向かうのは杏の同級生で、ガードマンの仕事に就いた若宮円(渡邊圭祐)だと予測し、彼の元へと向かった。
若宮は、恩人である杏のために嘘をつくが、みかん大福を食べたことがバレてしまい、杏が来たことを認める。若宮から、杏がまだみかん大福の箱を持っていたと聞いた蔵前は、彼女が最後に向かうのは、7年前に昌幸が関与して辞めさせられた看護師のところだと考える。
その女性が住んでいるのは中野区鷺宮だった。
杏は場所を間違えて埼玉の鷲宮にいた。蔵前は、そんな杏の行動を読んで鷲宮に向かい、無事杏を見つける。
そこで蔵前は、なぜさくらの言葉だと信じてしまうのか、人の発言だけでは証拠として不十分だと杏に言うと、杏に弁護士資格がないなんてことは絶対にないと訴えた。
するとそこに、今日子たち事務所メンバーもやってきた。
蔵前と同じように、杏が正真正銘、弁護士であると信じている今日子たちからも声をかけられる杏。そこで蔵前は、事務所のメンバーたち総出で川をさらって見つけ出した、杏の弁護士バッジを差し出した。
いずみは、武藤や彼の父でもある院長の武藤源三郎(螢雪次朗)、多江子と会っていた。源三郎たちは、いずみのせいで患者が死んだと彼女に告げる。泣き崩れるいずみ。
一方さくらは、昌幸から託された白いファイルを燃やし……。