ポルカ・リン・ウッドは主人公らしくない主人公

――公式サイトのインタビューで、「革命を起こせたら。時代を変えられたら」と発言していましたが、稽古をする中で感じた手ごたえを聞かせてください。

ちょっと難しいのですが、正直に言いますと今のところ手ごたえはありません。そんな発言をしたのは、「SaGa THE STAGE」を6年ぶり、かつ、新作を上演するにあたり、自分が新キャストとして加わるからには新しい風を吹かせなければいけないと思ったからです。

そのために呼んでいただけたと捉えていますし、「ロマンシング サ・ガ」シリーズの1作目は自分が生まれた翌年(1992年)に誕生し、長く愛されているゲームなので、そんな大きな作品の歴史の中で革命を起こすには、まだ手ごたえを感じていないというのが本音。

魅力的なキャストがそろっている中、恐縮ながら主演として携わることになって、僕は皆さんにいい影響を与えることができているのだろうか、作品のよい材料になっているのだろうかという思いを抱えた疑心暗鬼のまま、稽古を重ねています。

だからといって、腐ってもしょうがないので、少しでも良き作品になるよう真摯に向き合うだけです。

――ヒントすらもまだ見えていない状態ですか?

光は少しだけ見えています。多くのキャストやスタッフさんたちと作品をつくり上げることってすごく難しいのですが、その難しさの先に行かなければ革命を起こすことはできないので、本番までに一歩ずつ進むしかありません。

――ポルカを演じるうえで、どんなことがポイントになりそうですか?

僕は彼のことを主人公らしくない主人公だと思っていて、物語の真ん中にいる人物ではありますが、自分の力で誰かを守り抜くとか、自分の力で周りの世界を変えていくみたいな影響力がないんです。

でも、僕はそんなところに魅力を感じていて。本作、特にポルカには“家族”という言葉が大きく関わってくるのですが、ストーリーが進む中で出会う人たちや家族とともに、自分に課された使命をはたそうと前進する。

一人では目的を成し遂げるだけの力がないけれど、彼の純粋な思いによって、いろいろな人たちが集まり、力を貸してくれる。ほかの登場人物たちによって、主人公にしてもらっているキャラクターなのだと思います。

――演劇ファン、ゲームファンにとっても見どころの多い作品になりそうですね。

目で観ても、耳で聴いても楽しめる作品なのではないでしょうか。このシリーズをまだご覧になっていない方だけでなく、「サガ」シリーズや「ロマンシング サ・ガ」作品を長く愛し、マニアックに分析してくださる方たちも楽しめる要素がふんだんに散りばめられています。

音楽やダンス、歌、さまざまなギミックを駆使した映像がふんだんに登場しますので、そんな部分を楽しんでいただきつつ、人間ドラマやアクションシーンにも注目してほしいです。