一番の憧れは祖父、ミュージカルへの出演は「神のみぞ知る」

――3月に19歳の誕生日を迎え、10代最後の年になりましたが、20歳を前にした心境を聞かせてください。

普段から年齢を気にするほうではないので、20代に突入するからと特にワクワクすることもないですし、10代のうちに必ずやっておきたいこともありません。とにかく今は、自分にできることを精一杯やるだけ。

技術を向上させることや役者としてのレベルを上げることは自分の努力しだいでいつでもできるものなので、特に年齢で区切って「何歳までにこれをやり遂げる」というのではなく、すぐにでもできるようになるには今、頑張るしかないというのが個人的な考えです。

――尊敬するのはどなたですか?

父ももちろんそうですが、ひとりだけ選ぶとしたら祖父の松本白鸚です。祖父や父がやってきたことをなぞるような役者にはなりたくないですけど、祖父はやはり役者として一番の憧れ。祖父と父が作ってきた道を歩みつつ、高麗屋らしいことをやっていきたいです。

もっともっと大きくなり、自分という人間を通して“高麗屋スピリッツ”を体現したいと考えているので、そういう意味では祖父が一番追いかけるべき存在ですね。 

――白鸚さんが長年『ラ・マンチャの男』に出演していたように、ミュージカルへの出演願望はありますか?

興味がないことはありません。これに関しては自分が言うものではなく、神のみぞ知る、ですので。お話があればぜひやってみたいです。

撮影:今井裕治

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