納棺師を志したシングルマザー 父の病状を知らされ…
“おくりびと”と呼ばれる仕事があります。
通夜や葬儀の前に、遺族の目の前で亡き人の状態を整え、棺に納め、お別れの時間を作る納棺師たち。
家族だけで故人への思い出や悲しみを分かち合い、死を悼む時間として…近年、納棺師が執り行う「納棺式」の需要が高まっているといいます。
そんな“おくりびと”になることを志し、17年勤めた会社を辞めた陽子さん(48)。
納棺師を育成する「おくりびとアカデミー」に入学し、遺体を扱う技術や知識、別れに寄り添うための心構えを半年間にわたって学びます。
シングルマザーとして2人の娘を育ててきた陽子さん。ずっと娘たちのために働く人生でしたが、48歳になり納棺師を目指すようになりました。
きっかけは、母の葬式で見た納棺式。生前の母に尽くせなかった後悔や無念を抱いていましたが、納棺師がつくる“別れの時間”で、心が洗われる思いだったといいます。その時の体験から「自分も納棺師になりたい」と決断。
アカデミーを卒業し、納棺師として働き始める陽子さん。
来る日も来る日も、人の死に立ち会い、家族の悲しみと愛を感じているなか、故郷・北海道の父の病状が思わしくないという知らせを受けます。納棺師になった自分が、愛する家族と別れるときに何をするべきか。
“おくりびと”を志した1人の女性の、揺れる心を見つめました。