月に移住する夫婦を演じる岡田さんと土居さん。共演作『虎に翼』との共通点や、演出家・加藤拓也さんが作り出す世界観の魅力についても語りました。
――この夫婦の関係性に、共感するところはありますか?
土居:喬司と成美は、月に移住するという、人類にとって未知の領域に行くわけじゃないですか。セリフにも「この先どうなるかわからないから怖い」「共感してくれる人がいないから怖い」という気持ちを表す言葉があるんですけど、それはそうだよなと思って。
『虎に翼』も、日本初の女性弁護士・裁判官が道を切り開いていく話でしたよね。初めてのことだから、すごく怖かっただろうなというのは、『移民』の脚本を読みながら改めて感じました。だから『移民』も、ただの夫婦のすれ違いではなく、孤独が見えてくる物語なのかなと思います。
岡田:確かに、そうだね。進化は本当にいいことなのか、考えさせられる作品でもあると思います。月に行って人間に起こる変化は、進化でもあり退化でもある。きっと人によって受け止め方が違うので面白いでしょうし、夫婦のあり方も今後、変わっていくのかなと思います。
岡田将生「密度があまりにも濃い」演出家・加藤拓也の世界に衝撃
――加藤さんが作り出す世界観の、どんなところに惹(ひ)かれますか?
岡田:加藤さんの作品は、『移民』もそうですが、ものすごく限られた空間での会話劇が多いんです。その密度があまりにも濃いので、舞台上の“架空の社会”がまるで本物のように感じられる。劇場を出て街を見渡しながら、「あれ?今、すごいものを見てきたぞ」と思うんです。それくらい異空間に没入させてくれます。
あとは、現実でみんなが言っていそうなセリフや息遣いが、劇場内にどんどん充満していく感じ。あれが僕は素敵だなと思っています。“加藤さんマジック”ですね。今回は自分がそちらの世界に入る側なので、その難しさを実感して、これまで加藤さんの作品に出てこられたみなさんはすごいなと思っています。
土居:人と人のすれ違いや、“感情のグラデーション”の描き方があまりにもリアルで、よくわかるんです。誰かの一言で自分の意見が変わって、180度違うことを当たり前のように言ったりする。観ていても「このキャラクター、嫌な言い方するな。でも、自分もこういう言い方しているかも」と考えさせられます。その世界で役を演じるとどんな気持ちになるのか、未知なのですごく楽しみな反面、怖さもあります。
岡田:今回、セリフ量がとにかく多いですが、それも楽しんでできたらいいなと思っています。
土居:加藤さんの世界に染まれるのが楽しみなので、身を預けて飛び込もうという感じです。
撮影:YURIE PEPE
ヘアメイク:礒野亜加梨(岡田さん)、国府田圭(土居さん)
スタイリスト:大石裕介(岡田さん)、中村剛(土居さん)
衣裳:LOEWE(岡田さん)、UJOH(土居さん)
<公演概要>
『移民』
作・演出:加藤拓也
出演:岡田将生、土居志央梨
日程:2027年1月11日(月・祝)〜31日(日)
会場:東京芸術劇場シアターイースト
企画・制作・主催:梅田芸術劇場
共催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
