──2年ぶりに『監察医 朝顔』に出演し、朝顔と桑原を演じて感じたことを聞かせてください。

上野:前回(2022年)、下の娘・里美(中村千歳)は、2歳のいやいや期で、本番でも泣いちゃって、そのまま撮影をすることもありました。

あれから2年が経ち、以前よりも話せるようになっていて。これまで家のシーンは、つぐみ(永瀬ゆずな)と朝顔と桑原くんの3人で話すことが多かったのですが、今回は4人で“お芝居”ができたことも新鮮でしたね。

あと、今回のお話では、朝顔が里美を幼稚園の送り迎えをしていて、桑原くんがつぐみと一緒に通勤・通学をするシーンが何度かあるんですよね。

風間:ありますね。

上野:里美は桑原くんに似ているので、私はずっと桑原くんと一緒にいる感覚があって。なんとなく、本当の家族ってこういう感じなのかなと思いました。

風間:『監察医 朝顔』は、時の流れを大事にしている作品だなと常々思っているのですが、朝顔と一緒にいる時の空気感はずっと一貫しているんです。もちろん、その時々で夫婦で向き合う問題は変わっていますが。

その2人の関係性に加えて、子どもたちの成長を見ていると、変わるものと変わらないものが実感できて、「人生だなぁ」と思いますね。

ドラマとしてわかりやすくガラッと時の流れを描くのではなく、緩やかに変化の様子が描かれているので、見てくださる皆さんにも「2年でこう変わったんだね」と時の流れを感じてもらえるんだろうなと思いながら撮影していました。

上野樹里 ちょっと抜けた朝顔の姿も!「今の朝顔に会えることを楽しみにしていただきたい」

──変わったと思うこと、変わらないなと思うことを聞かせてください。

上野:今回の脚本もすごく丁寧に書かれていて、どのシーンにもメッセージが込められていて面白いものになっています。

朝顔というと、仕事と子育てをしながら、家でご飯を作る姿を想像される方も多くいると思います。 

でも、子どもがどんどん大きくなって、子育てに慣れてきた頃に、朝からキッチンにちゃんと立っているかなと。きっと桑原くんを頼っちゃったり、抜けている部分があるんじゃないかと思って。今までの朝顔とは違う、今の朝顔の姿を楽しみにしていてほしいですね。 

それがまた、時の流れを感じさせる部分でもあるのかなと思います。毎日を回していくってどれだけ大変なことなのか、私自身も日常で感じることがありますし、きっと朝顔もてんてこ舞いになっているはずですから。

そういった完ぺきではない部分がまた愛おしいと思っていただけると思いますし、今の朝顔に会えることを楽しみにしていただきたいですね。

風間:僕は朝顔と対峙していて、「やっぱり変わらないな」と感じていたのですが…桑原ってドラマが始まった当初はよく法医学教室に行っていましたが、最近はあまり行けていませんでした。だけど、今回は解剖に立ち会うシーンがあります。

その時に、仕事をする朝顔を見て、家庭内での顔との違いをリアルに感じたんですよね。その“リアル”というのは、説明が難しいのですが、桑原として僕自身が感じられたというか。

そう感じさせてくれた樹里ちゃんのすごさも感じましたし、自分の中に桑原がいると感じられて安心した瞬間がありました。

上野:桑原くんは今回、朝顔に隠し事があるんですよね。

風間:そうですね。

上野:それを隠しながら、大変な思いをしながら家のこともやってくれていて。共働きをしていて、お互いにギリギリの状況でも、思い合って、支え合っている2人の姿が見てもらえるんじゃないかなと思います。