──演じている天野智也は、どのような人物ですか?魅力に感じている部分とあわせて聞かせてください。
コミュニケーション能力が低いわけではなく、医局内にどんなタイプの先生がいても苦手意識を持つことはないですし、誰とでもフラットに会話をしている印象があります。上司からの受けも悪くないように見えるので、人間力は高いのかな、と感じます。
でも、いろいろな意味で未熟で、マインドが課題になっています。きっと1話、2話では中身のない人に見えているかもしれません。それが、3話で進藤先生の指導を直接受けることで徐々に変化していきます。
最近、中盤の撮影をしているのですが「実は天野って意外といい人かも?」と思うようなシーンが出てきて。新しい台本が来るたびに、「こんな面があるんだ」と知ることができるので楽しいです。
萩原利久が語る専攻医・天野は「『Z世代はこうだよね』と、否定的に語られる要素を持ったキャラクター
──共感できるところはありますか?
あまりネガティブに捉えてほしくないのですが、いわゆる向上心のなさから来る、逃げの姿勢は理解できる部分もあります。
天野は争いごとが好きではなく、難しいことを避けてしまうタイプ。僕自身も目の前に面倒なことが出てきたとき、ラクに片づけられる手段を選んでしまうことがあります。
天野の場合、それが命と直結してしまうので、同じ尺度では語れませんが、その感覚自体は理解できます。
──天野を演じるうえで意識していることはありますか?
1話、2話は、天野が中心に描かれる3話との違いを意識していました。
天野は「Z世代はこうだよね」と、否定的に語られる要素を持ったキャラクターです。端的に言うと、怒られないように仕事をするタイプです。1話、2話ではその特徴が際立つように演じました。
そのマインドを見つめ直すことが、天野のテーマ。3話で命と向き合い、どう変化していくのかに注目していただきたいです。
──本格的に医師役を演じるのは初めてとのことですが、実際現場に入ってみていかがですか?
医療台本なるものを初めて見ました。セリフが書かれた台本とは違って、処置について詳細が書かれているので、かなり分厚いんです。しかも、文字で見るとなかなか頭に入ってこない…(笑)。
わからないことがたくさんあるなかで、監修の先生の立会いのもと、医療リハーサルで一つひとつ丁寧にシーンを作り上げていきます。この工程がないと、本番に臨むのが怖いです。
普段の作品よりも工程が多いですが、その分共演者の皆さんと一緒にいる時間も多いので、コミュニケーションもしっかりとれています。手術シーンは、チームワークがマストなので、この環境はありがたいです。
いろいろな世代の方がいらっしゃる現場ですが、本当にいいチームワークができていると思います。
──苦労よりも、いい影響があるんですね。
もちろん医療用語や動きを覚えるのに時間がかかりますし、難しいです。でも、そういう大変さもみんなで乗り越えていく感覚があるので、楽しく現場にいられている気がします。
──江口さんとは初共演、松嶋さんとは映画『ミステリと言う勿れ』以来の共演です。印象を聞かせてください。
江口さんは、本当にカッコいいです。ずっと第一線で活躍されている方なので、初めてお会いしたときは「本物だ」という感覚もありました。でも、リハーサルを重ねるうちに、一緒に処置をするシーンでは自然な会話もできるようになりました。
江口さんと松嶋さんが現場を引っ張ってくださっていて、ありがたいのはその空気感です。僕ら新しくチームに入った若手を含めて、誰もがチャレンジしやすい環境を作ってくださっているんです。
何かやりづらさや気になることがあったとき、勇気を持たなくても発言ができる雰囲気があります。世代を超えて抱え込まずに話し合えるのは、すごくありがたい環境だなと思っています。
