第4シリーズ/心が折れかけた小島(松嶋菜々子)を動かした、進藤(江口洋介)らしい言葉

2009年放送、第4シリーズの舞台は、医師がおらずに機能不全に陥った海南医大高度救命救急センター。

進藤は、専門医がいない救命救急センターを立て直すため、小島を誘います。しかし、小島はある医療訴訟を抱えており、再び救命の現場に立つことを躊躇していました。

かつて、ある少年が救急搬送中、さまざまな病院から受け入れを拒否され、たらい回しに。小島が受け入れて処置をしましたが、力及ばず。その子どもの家族から訴えを起こされていたのでした。

救えなかった命を思い、救命医に戻ることができなかった小島。そんななか、金属バットで頭部を強打し、急性硬膜外血腫となった少年に遭遇。

すぐに処置しなければ、命にかかわる状況ながら、なかなか受け入れてくれる病院が見つからず…。困った小島は、進藤へ電話で助けを求めます。

そこで進藤は「お前は医者じゃないのか?」という言葉を投げかけます。この言葉にハッとさせられた小島は、救急車内で緊急の処置を行い、少年の命を救いました。

処置に関してはもはや教えることはないという進藤の小島に対する信頼感。そして、命を救うことに対して後ろ向きになっている小島に対し、「自分は医師だ」とストレートな言葉で思い出させる進藤の優しさが見えるシーンでした。

その後、再びともに働くことになった2人。

進藤は以前と変わらず「助けられる患者は助けるべき」という妥協なき姿勢を貫きますが、その圧倒的な熱量は、眼科や耳鼻科から来た応援の医師や研修医ら周囲を疲弊させていきます。

小島は、そんな医師たちをフォローし、なんとか進藤との間をとりもちます。そして、周囲を支える逞しさを身に着けた小島は、シリーズのラストには、ついに救命救急センターの医局長に就任したのでした。

『救命病棟24時』第4シリーズ

第5シリーズ/小島(松嶋菜々子)の語る言葉の端々に見える進藤(江口洋介)の存在

第5シリーズは2013年放送。舞台は国立湊大学附属病院救命救急センター。小島は医局長として、治療だけではなく、チームをまとめる存在に。

しかし、指導医を担当する研修医から「自分でなんでもやってしまうのは、私たちを信用してないから」と言われ、ショックを受けるなど、若手の指導に苦心していました。

さらに、頻繁に2人で遊ぶなど仲良くしていた甥が心停止で運び込まれるも、脳死状態に陥っています。本人が臓器提供の意思表示カードを持っていたことがわかり、医師として、家族として、苦悩する小島。

最終的に甥の両親(小島の兄夫婦)とともに臓器提供することを決断。しかし、その後も判断が正しかったのか悩み続け、医師を辞めようと退職届を提出します。

そんななか、一緒に働いていた救命医・夏目衛(時任三郎)が、幼少時の小島を助けたことがある救命医だったと判明。

自身が医師を目指すきっかけになった人物との再会と、甥の夢が医師だったこともあり、小島は救命医を続ける決意をしたのでした。

このシリーズに進藤は登場しません。しかし、研修医・広瀬斎(風間俊介)との会話のなかで小島は「(研修医1日目は)最悪な1日だった」と回想。

さらに、最悪だったからこそ負けたくなかったと言い、「明日こそはと思い続けて、今日も続けてるんだと思う」と、救命医を続ける理由を語ります。

その言葉の端々に、厳しくも自分を育ててくれた進藤の存在が見え隠れしていました。救命医・小島楓を語るうえで、やはり進藤は欠かせない存在だと感じられるシーンでした。

『救命病棟24時』第5シリーズ

進藤と小島は、シリーズごとに「指導医と研修医」「恩師と教え子」「同じ現場に立つ救命医」「それぞれの場所で救命を背負う医師」と関係性を変化させてきました。

そして始まる第6シリーズで、再び再会する2人。今度は、どんな関係を見せるのか注目です。