「俺たちの警察」で貫く信念と強まっていく信頼関係

組織のルールに背き、交番勤務へ逆戻りした約9ヵ月後、『歳末特別警戒スペシャル』(1997年12月放送)で青島は湾岸署に戻ってきます。年末の慌ただしい刑事課の中で、2人はアイコンタクトを交わしたり、腕時計が壊れてしまったというすみれに、自分が着けていた腕時計を巻いてあげたり。
9ヵ月間
というブランクがあっても、2人の絶妙なやりとりを見ることが出来ます。

湾岸署で一緒に働くことになった青島とすみれですが、すみれには胸に秘めた思いがありました。

『秋の犯罪撲滅スペシャル』(1998年10月放送)で、青島は、恋人の殺人を依頼した被疑者・相良純子(大塚寧々)を故意に逃がしたと疑われるすみれを、室井慎次(柳葉敏郎)の指示で監視することに。

そこで青島は、すみれが家の周辺の見回りを強化するよう警務課の後輩・緒方薫(甲本雅裕)に頼んでいたことを知ります。青島に問い詰められたすみれは、かつて自分を襲った野口が再び自分の前に現れるのではないかという恐怖を打ち明け、「突っ張ってるの疲れちゃった」と警察を辞めようと考えていることを伝えました。

自身の経験から、恋人から暴行を受け殺人依頼をしてしまった相良の気持ちをくんだすみれは、入院中の恋人を捕まえることを約束。監視の目が増え、思うように動くことができないすみれに代わって、青島が暴力の証拠を集め恋人を逮捕しました。

青島は、相良も同時に逮捕しますが、命令に背いた行動をしたことで青島とすみれは、査問委員会にかけられることになります。信念を貫きたくてもそれが許されない警察組織に未練はないと話すすみれに、青島は「室井さんたちも警察だけど、俺たちの警察だってある」と、自分たちらしさを貫けばいいと伝え、迎えに来た湾岸署の仲間のもとへすみれを導きました。

目の前で起きたお互いの命の危機とそこから感じる唯一無二の関係

劇場版でも、2人の軽快なやりとりは健在。

『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年)で青島は、「組織に人の感情は必要ない」という沖田仁美(真矢ミキ)のやり方に腹を立て、「やってられっか!」とトレードマークのコートを捨てようとします。すみれは、すぐさまそれを拾い上げて励ましたり、それでも立ち直れない青島を見かねて、わざとコートを雑に扱ってやる気を出させたりしました。

また、すみれに神田総一朗署長(北村総一朗)との不倫の疑いがかけられた際、すみれが「私は年上興味なし」と答えると、青島は一瞬喜ぶも、自分が年上であることを思い出したのか「すみれさんって年下好き?」と問いかけます。

しかし、すみれの「年下っていうか精神年齢が低いっていうか」という、“それは青島のことでは…”と気づかうような返答にも青島は、「…いる。いつまで経っても大人になれないようなやつでしょ」と自覚がない様子で同意し、相変わらずの噛み合わなさと仲の良さを見せていました。

見ているこちらがやきもきさせられる2人ですが、その絆の強さを感じる場面も。

(C)2003フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー

『踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!』(1998年)では、副総監を誘拐した少年の家に乗り込み連行しようとしたところで、青島が背後から少年の母親に腰を刺され、『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年)ではすみれが、銃を持って暴れる被疑者のそばで動けなくなっている女の子を助けようと駆け出した際に、肩を撃たれてしまいます。ともに、互いの目の前で起きた出来事でした。

青島が刺されたときはデートの約束を。すみれが撃たれたときはキャビアを食べに行く約束を。命の危機を感じる瞬間に、戻ってきたときの“楽しみ”になり得る関係からは、かけがえのない唯一無二の結束を感じます。