<コラム>『最高のオバハン中島ハルコ~マダム・イン・ちょこっとだけバンコク~』第4話

これまで、急にハルコ(大地真央)が象に乗って現れたり、急にいづみ(松本まりか)の雑誌社が買収されたり、急にアイドルが拉致監禁されたりと、何もかもすべてが急で、初速のテンションからして異常過ぎたもんで、今回の冒頭は?っていうと、なんかそれまでの冒頭と比較すると、かなりテンションは抑えめで、内容的にもざっくりいうと痴情のもつれだったもんだから話もすぐに把握しやすくて、ようやくとり戻してきたなと(何を!?)。

いや、ようやく第2シーズンまでのテンションを取り戻してきたな…と。だって、今回の第3シーズン、あまりにもテンションが異常過ぎたもんで、大丈夫なのか?って勝手に心配してて(余計なお世話)、ようやくこの第4話で、あのころのテンションを取り戻してきたな…あのころの感覚取り戻すの難しかったんだろうな…と。

だけどだけど、そうはいっても、この第3シーズンの異常なまでのハイテンションは、僕的には、たまらなかったな…。象に乗っても、職場が雑に変わっても、拉致監禁しても、許せてしまうどころか、ハルコはこうでなくっちゃね!!これこれ!!ヒャッホー!!という気分へ瞬時に高めてしまう、ハルコの支配的異常テンション…。僕的には、たまらなかったな…。

でも、とはいっても、第4話冒頭のこのテンションですらも、通常のドラマ比からするとかなり異常なくらいなんだから、これが、このくらいのさじ加減の方が、ハルコ的にも一般視聴者的にも(上からか)ちょうどいいんだ…。そうだ、そうなんだ。きっとそうに違いない…って、謎にひとりで冷静に納得しかけてた次の瞬間――。

「名古屋人にとって、手土産とは重さよ!!!」とかいう、偏見暴論独自見解からの、愛人夫婦(夫婦ではないか)が手土産持って登場からの、「手土産が軽い!!!」「あまりにも軽い!!!」からの、

「よくも、私をみくびったわね!!!」

ってさ、ホントにハルコ、マジひどすぎ(=マジ最高!の意)。

この令和が舞台の現代劇で「よくも、私をみくびったわね!!!」ってさ(そのあと“きゃつら”とまで言ってるし)、しかもそれが「手土産軽い!!!」ってさ、手土産が軽い→みくびったわね!!!ってさ、文法があまりにもおかし過ぎるだろ。

うん、でも、そうはいっても、その「みくびったわね!!!」までに至る、その“フリ”が最高だったよね…いや、ひどかったよね(言い換える必要ないだろ)。

第3シーズンの第3話まで、あえてなのか異常なテンションで幕を開けときながら、この第4話ではそれが鳴りを潜めて、一旦通常のテンションを取り戻したか?に見せて、それでもって今回は特に話の筋を咀嚼(そしゃく)できるスピード感に設定(うん、前回までは話の筋を追うどころの騒ぎじゃないテンションだったからね)、久々にハルコの名古屋とんでもうんちくがかまされて、視聴者に「へぇ~…。確かにそうだわ。ういろうってさ、重いもんね?」とかノンキに考える隙間を与えてからの、次のシーン。

愛人夫婦(正式になんて言うの?)が手土産持って現れ、ほぼ全員の視聴者が“イヤな予感”を察知…来る!絶対に来る!来るに違いない!絶対、絶対に来る!絶対、絶対に…

「手土産軽い!!!」

キターーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!

っていう、圧倒的爽快感(?)

その、考えさせた隙をも“フリ”に変えて、視聴者の“イヤな予感”→「手土産軽い!!!」を見事に完成させてみせる、圧・倒・的・爽・快・感。ありがとう、ハルコ、ありがとう。