<井上由美子(脚本)コメント>

息苦しい世の中ですね。世界は不安定で、目を背けたくなるニュースばかり。こんな時代に求められるのは、鮮やかに問題を解決するカッコいいヒロインではなく、そばに寄り添ってくれる、飾らない女性たちだと思いました。

犯罪を描いたドラマや映画の多くは、犯人逮捕が終着点です。でも、被害者の痛みは犯人逮捕で一区切りするわけではありません。そんな傷ついた人たちをサポートするのが小池栄子さん演じる黒木夏海(警察官)と、北香那さん演じる白石絵梨子(心理学者)です。

彼女たちには、特殊能力も超がつくようなテクニックもありません。「そばにいてもいいですか?」と寄り添い、言葉に耳を傾け、被害者が自分で立ち上がるのを支えます。

見どころは、過去を抱えたぶっきらぼうな元マル暴刑事・黒木の包容力と、共感能力に欠けた(長けたの間違いじゃなく)、ちょっとうざい心理学者・白石の突破力――2人のコンビネーション。決して立派な人物とは言えない2人が、性格や人生経験の違いを乗り越えて、被害者たちを受け止めます。

そして、彼女たち自身も絆を築いていきます。ときに先輩と後輩、ときに姉と妹、ときに女ともだち。表情を変えていく2人の関係を、小池さんと北さんが豊かに演じてくれています。孤独で不器用だけど、それゆえに寄り添う力を持ったコンビにご期待ください。