──湖音波はもちろん、ゲストのキャラクターのクセの強さも話題です。特に心臓血管外科医・神崎祐樹(かんざき・ゆうき/森崎ウィン)は字幕を付けないとセリフが聞こえない“小声キャラ”。キャラクター構築でこだわった点を聞かせてください。
高木:神崎は「え、全然聞こえなくない!?」「音量、大きくしなきゃ!」となってほしかったんです。それで、SNSがザワついてくれたらいいなと思っていました(笑)。
あとは、森崎さんはすごくいい声をしていると言われていますが、あえてその声を封印したくて。封印したうえで、“ここはちゃんと発言しなきゃいけない”というポイントで、しっかり声を出して自分の気持ちを伝える、という。そのギャップを出したくて、あのキャラクターにしました。
貸川:白衣もオーダーで、襟を高くして、ロングコートみたいなものにしたんですよね。
高木:森崎さんには、衣装合わせの際に「画面越しでみんなを惚れさせるくらいのイケメンドクターでお願いします」と言いました(笑)。
貸川:ほかにも、取材を通じてそれぞれの科のお医者さんの特徴というか、心臓外科医はプライドが高いとか“あるある”を聞いていて。宇垣美里さんが演じた岩崎沙羅(いわさき・さら)も、整形外科医はリア充が多いという“あるある”をもとにしています。
それでいて、沙羅が登場した5話は医師の働き方もテーマにしていたので、ワーク・ライフ・バランスを極端に重視するキャラクターという特徴もあります。湖音波が仕事に全力を注ぐキャラクターなので、その対極に置くことを考えたときに、「セレブ感が強いと面白い」という意見から“リア充の権化”のようなキャラクターにしました。
『ヤンドク!』だからできた!手術シーンに取り入れたアニメーション
──その「医師の働き方」のような各話の深いテーマとコメディの両立は、本作の特徴でもありますね。
高木:そうですね。病院では、2科合同、3科合同で手術することも割とあるという話も聞いて、ドラマではあまり見たことがないなと思ったので、そういう点もこのドラマで見せたかった一つの要素になっています。
──手術シーンにアニメーションを使っているのも新鮮ですね。どういった狙いから使用したのでしょうか?
貸川:アニメーションを使おうというのは、監督のアイデアでした。脳神経外科の手術は画的に生々しくなりますし、月曜の9時台は、食事をしながら見る方もいるかもしれない時間帯なので、見やすさを重視するためにもやってみたい、と。
また、手術時の手元をリアルにお見せしても、伝わりにくいため、デフォルメすることで処置内容を明確にするという狙いもありました。
ただ、最初は我々もどうなるのか想像しきれていませんでした。仮編集では色も形もビビッドで、今放送されているもの以上にポップな表現でしたが、そこから少しリアル寄りに変更することで、わかりやすくて見やすい映像になったと思っています。
高木:あのアニメーションは、『ヤンドク!』だからできたことですよね。湖音波をはじめ登場人物のキャラクターが型破りなので、ああいう映像表現もありなのかな、と。アニメーションにしたことで、お子さんが結構見てくれているという話も聞きますし、チャレンジしてよかったなと思っています。
貸川さんもおっしゃった通り、専門家ではない私たちには手術時、湖音波たちが行っている処置を完全に理解することはできないですよね。それであれば、湖音波たちの表情、なぜその手術をすることになったのか、患者さんがどんな感情を抱いているのか、そのご家族はどう過ごしているのか、という部分をしっかり描いて見ていただく方がいいのかな、と。
賛否両論はあるかもしれませんが、アニメーションにしたことで、より見やすい作品になったと感じています。
