フリースタイルスキー男子モーグルで見事、銅メダルを獲得した堀島行真選手(28)。
そして、金メダルのクーパー・ウッズ選手(オーストラリア)、銀メダルのミカエル・キングズベリー選手(カナダ)。3人が手にしたスキー板には、同じロゴが…。

フリースタイルスキー男子モーグルで見事、銅メダルを獲得した堀島行真選手(28)。
そして、金メダルのクーパー・ウッズ選手(オーストラリア)、銀メダルのミカエル・キングズベリー選手(カナダ)。3人が手にしたスキー板には、同じロゴが…。

表彰台を独占したスキー板、実は、日本の「ID one」というブランドのスキー板。

この日本のブランドはどんな会社が手がけているのか?
現地イタリアで取材中の東中アナウンサーが、会場で社長を発見!話を聞くことができました。

左:堀島選手 右:藤本社長

マテリアルスポーツ 藤本誠社長(現地イタリアにてインタビュー):
できる限りコストを抑えてやってますので。逆に5人だからできるのかな…。

5人の社員しかいないという会社にもかかわらず、モーグルのトップ選手たちがこぞって使う理由とは?

「他ではマネできない」独自技術のエッジ

『サン!シャイン』は、このスキー板を製造・販売している大阪・守口市にある会社を緊急取材。

マテリアルスポーツ 木内伸さん:
今回出場しているオリンピックのモーグルという競技で、調べたところ70%~80%近くの選手が使用しておりました。

なぜ、多くのモーグルのトップ選手たちが、この日本ブランドの製品を使うのでしょうか?

マテリアルスポーツ 木内伸さん:
ソルトレーク五輪の時にヤンネコーチ(選手)がゴールドメダルを取りました。そこからですね。

2002年、アメリカのソルトレークシティ五輪で当時、フィンランド代表だったヤンネ・ラハテラさんが、このスキー板を使い、金メダルを獲得。
さらには、オリンピックで活躍した上村愛子さんも使うなど、雑誌や口コミで話題となり、多くの選手たちに広まったといいます。
このスキー板にはどんな特徴があるのでしょうか?

マテリアルスポーツ 木内伸さん:
一番代表されるのがうちは「エッジ」。スキーを雪面で止めて制動の役割になります。他のよそのメーカーではマネができないという技術です。

等間隔に切り込みを入れる独自の「クラックドエッジ」は、板がコブに当たった瞬間に、たわんで雪面に密着。衝撃で跳ね上がるのではなく、密着することでスピードが増すといいます。

さらに、堅い木材を芯として使うことで、選手たちが最大のパフォーマンスを発揮できるんだとか。

堀島行真選手

――選手に信頼されている理由はどこにあると思いますか?
マテリアルスポーツ 藤本誠社長:

人間関係かな。「はい、渡して」「使って」そうじゃなく、その信頼関係で成り立つんで。

長野五輪金メダリストが解説 「ID one」のエッジ

通常のエッジと「ID one」のエッジを比べてみると、「ID one」のエッジはかなり柔らかく、しなっているのがわかります。

左:通常のエッジ 右:「ID one」のエッジ

エッジが柔らかいと滑ったときにどう変わるのでしょうか?
1998年長野五輪のモーグルで日本初の金メダルを獲得し、2002年のソルトレークシティ五輪では銅メダルを獲得した、里谷多英氏に聞きました。

新聞紙を丸めたものをスキー板に見立てて説明する里谷多英氏

里谷多英氏:
トップが柔らかいっていうのはカービングターンに絶対に必要で、例えば女子であんまりカービングがうまくない選手っていうのは、コブがあるとすぐに(板を)横にしちゃうんですよ。スライドターンっていうんですけど。

板を横にするスライドターン

カービングターンっていうのはたわませて前から入って、同じ軌道をテールが抜けていくことをカービングターン。

コブに真っすぐ入るカービングターンは板をたわませて…
真っすぐコブを越えて通っていく

堀島選手はコブにそのまま入るためにたわまして、じゃないと真っすぐ入れないですね。
こう(横に)やる人は入らないんですよ。真っすぐコブに入る人はコブの形状にたわんで、そこを越えてまたこれ(板の後ろ側)が通っていくので、「ID one」の板はそういうモーグルにすごく適したものです。
コブにも沿っていける。コブと同じ形になるので。堅いと跳ね返されてどんどんスピードで出ちゃうけど、これだとスピードコントロールしやすいんです。

(『サン!シャイン』2026年2月13日放送より)