――W主演の浜辺さん、目黒さんの印象を聞かせてください。
物語の内容もそうですが、実在の葬儀場をお借りして撮ったこともあり、撮影中は緊張感や厳かさ、日常とは違う空気を感じながら過ごしていました。
そんな中でも浜辺さんはすごく柔らかい雰囲気を持っていて、たくさん話しかけてくださったので、緊張感も和らぎました。まさに葬祭プランナーさんならではの、柔らかさの中に気遣いがあるような佇(たたず)まいをされていたので、きっと普段からこういう優しさを持った方なのかなと感じました。
目黒さんは撮影中、どこまでが役で、どこから素なのか、分からなくなる瞬間がありました。目黒さん自身がもともと漆原に近いタイプなのか、それとも役が入って自然と漆原のようになっているのか、境目が曖昧というか。
でも先日、本作の会見でお会いしたら、すごく柔らかくて笑顔の絶えない方だったので、きっと撮影中は役と深く向き合い、漆原でい続けようとしていたのだなと、その誠実さを改めて感じました。
浜辺さんも目黒さんも、現場で所作を何度も練習されていたので、そういうところも尊敬します。
森田望智 作品を通じて「祖母を思い出す」自身が変わったこととは
――サブタイトル「もう二度と会えない、あなたへ――」にちなみ、自身が「もう二度と会えないけれど会いたい人」がいたら教えてください。
この作品に携わるなかで、亡くなった祖母を思い出すことが多かったです。祖母のいろいろな姿を見てきましたが、やっぱり一番に思い出すのは、元気に過ごしていたときだなと思って。楽しい思い出は元気なときに、より作れるものだなというのを実感しました。
私自身もいずれそういう時が来たら、遺(のこ)された人に楽しかった出来事をたくさん思い出してもらえる人になりたいなと思いました。そのためにも、人と関わるときは出来るだけたくさんの笑顔を作りたいというのを、この作品を通じて強く感じています。
――本作を通じて、葬儀に対する見方は変わりましたか?
そうですね。今までは “葬儀は故人様のもの”だと思っていて、祖母が亡くなったときも「おばあちゃんのためにこうしよう、ああしよう」といろいろ考えました。でもそれ以上に大切なのは、遺された方々が故人様との思い出とともにこれからどう生きていくかなのだと、この作品に携わって気づかされました。
『ほどなく、お別れです』は、その生き方が前向きなものでありますように、という願いが込められたお話でもあります。葬儀は故人様のためだけではなく、遺された自分に向き合う大事な時間でもあるのだなと改めて考えさせられました。
撮影:今井裕治
ヘアメイク:尾曲いずみ
スタイリスト:丸山晃
