『スタンドUPスタート』第2話完全版
「サンシャインファンド」社長・三星大陽(竜星涼)は、兄・大海(小泉孝太郎)が社長を務める「三ツ星重工株式会社」の定例株主総会に出席。4年前、大海にリストラされた造船所の現場責任者・武藤浩(塚地武雅)をスカウトすると宣言する。
<ドラマ『スタンドUPスタート』これまでのあらすじ完全版>
「リストラだって次へのスタートアップ。人は資産なんだ」という大陽に対し、「起業は博打の世界。人は強いリーダーを求めている」と返す大海。
三ツ星重工の副社長で、大海と大陽の叔父・義知(反町隆史)は、そんな2人のやり取りを楽しそうに聞いていた。
その数ヵ月ほど前、大陽は、イベント会社「エンジョイ・メーカーズ」の副社長・福島あかね(岡本玲)に声をかけていた。
エンジョイ・メーカーズは、東城充(野村周平)が大学時代に同級生の福島に声をかけて起業した会社。東城は「何もない日なんて、1日もいらない」「俺たちが揃えば無敵なんだよ。一緒に宇宙一の会社を作ろう!」と言って福島をくどき落とし、苦労をともにしながら会社を大きくしてきた。
だが、今ではロックフェスなどの大きなイベントはすべて東城が仕切り、福島は創業当時から世話になってきた地方の会社や町内会などの小口案件と、ファックスでのやり取りのみを命じられている。
大陽は、そんな東城のことを、何でも自分1人でやってきたと思いこむ人物である「社長病」だと評していた。
そんななか、東城は、福島に何の相談もせず勝手に子会社「株式会社ファクシミリ」を作り、持ち株比率を自身が80%、福島を20%として、彼女をそこに追いやってしまう。
それからしばらくして、エンジョイ・メーカーズが主催するロック・フェスが台風の直撃により中止の危機にさらされる。そこに、東城のパワハラを訴える記事が週刊誌に掲載されるという騒動が重なり、追い込まれる東城。資金繰りにも困っていた東城の前に現れたのは大陽だった。
大陽は、子会社であるファクシミリ社の株を買いたいと持ち掛け、全株式の49%を取得する。
数日後、大陽とともに東城のもとを訪ねた福島は、東城にMBO(経営陣あるいは従業員が自社の株式や一部の事業部門を買収して独立すること)を報告。
福島は、大陽がファクシミリ社の株を購入する前に、彼と共同出資で「サンライズファースト」という会社を設立していた。つまり大陽と福島は、合わせて69%のファクシミリ社の株式を所有していることになり、単独で特別決議を可決できるようになっていたのだ。
続けて大陽は、ファクシミリ社の事業を、福島が社長となったサンライズファーストが引き継ぐ、と東城に告げ…。
そんな折、ゲーム会社「ハイパースティック」の社長・小野田虎魂(吉野北人)とともにカフェを訪れた大陽は、大学の起業サークルに所属する立山隼人(水沢林太郎)と、その仲間の大森千里(鈴木ゆうか)、小岩井明(駒井蓮)、壇美優(小浜桃奈)のギャル3人組と出会う。
隼人が作った事業計画書を見た大陽は、その内容を評価し、事業に必要な資金を出すと申し出た。
夕方、大陽と虎魂は、エンジョイ・メーカーズ倒産後、自己破産して失踪していた東城に会いに行く。
公園でホームレス生活をする東城をサンシャインファンドに連れ帰った大陽は、ここで今後のことを考えてみてはどうかと提案した。
1週間後、大陽のもとに隼人がやってくる。隼人がスタートアップすると知った東城は鼻で笑い、「スタートアップなんか止めておけ」などと言いだした。
東城の言葉を受けて不安になり、起業はもう少し考えてからにしたいと言う隼人。するとそこに、千里たちギャル3人組もやってくる。彼女たちも起業することになったのだという。
千里たちは、大陽の指導を受け、「シブヤパウダールーム」という事業計画書を作っていた。それは「キレイなパウダールームがほしい」という彼女たちの思いを形にしたもの。
何の迷いもなく軽いノリで登記を終える千里たち。隼人は、その姿に驚き、本当にこれがやりたいことなのかと問いかけた。すると千里たちは、「3人で一緒に働きたいというのが一番の理由」「楽しくないとムリ」などと返す。
千里たちの言葉を聞いていた東城は、福島と一緒に仕事を始めたときのことを思い出し…。
あくる朝、大陽は東城をドライブに誘った。
行き先は、福島の取引先。創業当時から世話になっていたにも関わらず、すべて福島に任せて彼らをないがしろにしていたため、皆から恨まれていると思い込んでいた東城。だが、福島から事情を聞いていた彼らは、恨むどころか東城のことを心配していた。
いつか昔の東城が戻ってくると信じ、一緒にやってきた仕事を守ろうとする福島。それにも限界があり、福島の元からスタッフが去ってしまったことを知った東城は、隼人にも手伝わせて、事業計画を考え始める。
ところがその夜、思わぬ事態が起きる。福島が倒れ、救急搬送されたというのだ。
福島が収容された病院へと急ぐ東城。しかし、その道中、病院で点滴を受けて回復した福島と出会い、驚く。福島の顔を見て安心し、昔のように話しているうちにさまざまな思いがこみ上げてくる東城。それは、福島も同じだった。
そこにやってきた大陽は、忘れものだと言って、東城が福島のために作った事業資料を手渡す。多岐にわたるその内容に驚きを隠せない福島。東城は、福島に謝罪し、もう一度、一緒に仕事をやらせてほしいと頼んだ。
同じころ、三ツ星重工の役員会議では、常務の山口浩二(高橋克実)が、責任はすべて取るから現場にもっと決定権を与えてみてはどうか、と提案していた。その山口とともに“山谷コンビ”と呼ばれ、三ツ星重工を支えてきたのが加賀谷剛(鈴木浩介)だ。
彼らを高く評価していた大海は、2人を呼び、三ツ星重工の改革の前線に立ってほしいと頼む。義知は、そんな大海に「社内だけでなく社外にも問題がある」と言って株主総会に現れた大陽のことを切り出した。
「もしかして、三ツ星に復讐するつもりだったりして」。義知は、大海にそう告げ…。
隼人は、千里たちが立ち上げた会社「シャイニースペース」が、サンライズファーストと業務提携することになった、と虎魂や音野奈緒(安達祐実)、林田利光(小手伸也)に報告する。サンライズファーストが手がける屋外イベントに、仮設パウダールームを設置するという事業だった。
一方、大陽の専属秘書・M(雨宮天)は、隼人たちから少し離れた場所で、これまでスタートアップさせたメンバーの写真を見ていた大陽に、「順調に進んでいますね」と言い…。