吉岡里帆 インタビュー
――前作に続き、今回もナレーションを担当していかがでしたか?
前回、ママたちのカッコよさと懐の深さ、あたたかさに感動して強く印象に残っていたので、その後を(番組が)追っていらっしゃると聞いて、うれしくなりました。
今回も、濃密なエピソードがたくさんありましたが、なにより、のぼるちゃんが亡くなられたと分かり、それがすごくショックでした。
(前作の)のぼるちゃんがママやみなさんに助けられていることがわかるエピソードがとても好きだったんです。花見に誘い出してくれたお友だちが、悲観的なのぼるちゃんに「死んじゃうとかそういう話はやめてよ」って言いながら、「いい日にしちまえ」って声をかけたのが本当に素敵だなと思っていて。
(のぼるさんの死後)みんなが集ってのぼるちゃんとの日々を思い返しているVTRを見ると、孤独死でしたけれど、周りには人がちゃんといたといいますか…改めて塙山キャバレーのあたたかさを感じました。
――ママさんたちのその後を見ていかがでしたか?
(今作の後編で)「塙山キャバレーに集う人々は、喜びも悲しみも、痛みも、分け合ってきました」というナレーションがあるのですが、人の痛みに対して、ママたちは、忘れたり、流したりしない。現実に起こるどんなことに対しても正面から向き合われているんです。
目を背けたくなるようなヘビーなこともいっぱいあるのに、正面からぶつかっていったり、受け止める姿っていうのが、繊細で真摯。
だから、すごくグッとくるし、カッコいいなって思います。もちろん、痛みは計り知れないですけど、とにかくカッコいいです。
――だからこそ、お客さんも集まってくるのですよね。
やっぱり、みんな自分の悩みを聞いてほしいと思うでしょうし、それはきっと、ママたちの言葉に説得力があるからこそですよね。
しかも、ママがみんなやさしい。個人的な病気の話、家族との確執、大切な人が亡くなった話も、全部自分のことのように受け止めて聞いている姿は、これからもなくならないでほしいなと思います。
――今回も、ママさんの懐の深さがわかるエピソードがいくつも登場します。
こういう場所がある安心感というか、希望というか。ママたちが全力で「あなたはひとりじゃないよ」っていうのを、日々のお仕事を通して愛情いっぱいお客さんに届けていらっしゃる。
みなさんタフでカッコいいですけど、なかでも最年長の京子ママのタフさは本当に。病気に「気づかなかった」と笑いながら話しているのをみて、すごい人だと思いました。
――前作でも、「京子ママの包容力に驚いた」と話していました。
今回は、めぐみママの「今この仕事が天職だと思えてきた」っていう言葉が、ものすごく刺さりました。「ああ、それでいいんだ、人生は」と思わせてくれるっていうか。時間をかけてもいいし、合ってないのかなとか、しんどいなとか、という感情も「抱えながらでいいんだ」と、思わせてくれました。