「この作品、本当にいいよね」と言い合える時間がすごく幸せ

──出演発表時に「すごく難しい役どころで、(台本を)読みながら心が苦しくなる時間もあった」とコメントしていましたが、雨として読んだときにそう感じたのでしょうか?

客観的に読むときと、雨ちゃんとして読むときでは、感じ方はちょっと違うのですが…共通して思ったのは、相手を思ってやった言動が相手にとっては苦しかったり、相手が苦しむ姿を見ることになったり、「なんでこうも報われないんだろう」と思う場面が結構多いと感じました。

雨ちゃんとして読んでいると、もっと心苦しいシーンや、「これは正しいんだろうか」と不安に思うシーンもあって。胸がギュッとなることが多いですね。

──「月9は特別な枠」とも話していましたが、その月9主演のオファーを受ける際、プレッシャーはありましたか?

これだけステキな脚本とステキなチームが揃っているので、この作品の魅力を自分が伝えていかなきゃいけないという思いは強くあり、その責任が果たせるのかという、プレッシャーは自分にかけ続けています。

──そういうプレッシャーの中での撮影で、自身が成長しているなと感じることはありますか?

きっと、自分が成長したなと気づけるのは、時間が経ってからなのかなと思っています。

でも、撮影をしながら「この作品、本当にいいよね」とキャスト、スタッフと言い合えている今の時間がすごく幸せだなと思っていて。みんながそう思いながら一つのものを作れることは、とても貴重だなと思いながら過ごしていますね。

──雨はどういう人物と捉えて演じていますか?

自分に自信がまったく持てず、殻に閉じこもって1人で過ごしている人だけど、実は1人で過ごせるって強いと思うし、内側に強さを持った子なんだなと感じています。

何よりも、誰かのために、自分の大切な人のために心を捧げられるって、やっぱり簡単なことではないですし、私だったら無理だと思うので、すごく強い子だなと思います。

──誰にとっても、「心を捧げる」ということは難しいですよね。

みんながそれぞれ持っている“ハート”を誰かに渡すことはできると思うんです。

でも、このドラマで描かれている“心”は、普通の“心”とは違い、自分の生活がかかっているもので、それを考えるとすべて捧げるのはハードルが高いなと感じています。

1話から最終話までの間で雨ちゃんと太陽くんの関係性は変わっていきますが、“心を失った愛しい人を見る側”のほうがきついと思うんですよね。