著書制作のきっかけや本書に込めた思いを明かしたあのさん。執筆中の心境を尋ねると、「苦しさのほうが大きかった」と振り返り…
執筆は過去の痛みと向き合い、脳を使い分ける苦しみが
――執筆作業は大変な道のりだったと思います。苦労した点や、逆に楽しかったことはありましたか?
うわー、苦しさと楽しさ…。でも今回は、苦しさのほうが大きかったかもしれないです。やっぱり哲学というか、自分の考えや思考を書くうえで、過去のことを遡(さかのぼ)ったり、思い出したくないことも思い出したりするという作業があったので。それに加えて、過去だけじゃなく「今、自分がどう思っているか」も書かなくちゃいけない。
自伝だけだったら、そこからどういう考えを持ったかというところまでは詳しく書かないと思うんですけど、今回は哲学書なのでプラスアルファでそこも必要になる。書いていて「意外と使う脳みそが違うかも」って思いました。
思い出すこともすごくつらかったし、さらに、違う脳みそを使うことが結構あって。すごく書きたいことが頭にあっても、言葉にする順番とかが自分の言い方だとぐちゃぐちゃになっちゃうんです。それを自分自身で整頓する作業も大変でしたね。
――今作にはどのような思いを込めましたか。執筆を通して自身の変化はありましたか?
以前は「ブレないほうがいい」と思っていたし、昔はあまりにもブレなさ過ぎたところがありました。でもこの数年で、“自分らしさ”においてブレないことももちろん大事だけど、その自分らしさに縛られないためには、もっと自分を知ることが必要だと気づいて。
気分が変わることすらも受け入れられること、それを知ったうえが、やっぱり一番自分らしくいられるなって。そう気づけたから、自分の考えのバリエーションが増えたというか、流動的になったなと一番感じました。
ただ、書き終えてみて、なんかあんまり読んでほしくないなとも思っています(笑)。書く前はあんなに書きたいと思ったのに、いざ書き終わってみると、書いたからこそ読まれたくなくなってしまって。でも、そういう気持ちになる予感もすごくしていました。それぐらい大事なことも書けたのかな、と思います。
