――撮影中、自身の新たな一面を感じた瞬間はありましたか?
今回、カメラマンの尾身沙紀さんに撮っていただいたのですが、カット1枚1枚に写っている、ふとした瞬間の姿が新鮮でした。「自分は普段、こういうふうに過ごしてたのか!」と思ったり。雑誌など、ほかのお仕事の中で引き出していただく表情とはまた違う姿を、たくさん切り取ってもらえましたし、この写真集の中にたくさん詰め込みました。
――撮影で特に印象に残っている風景を教えてください。
やっぱり、ベニスビーチは一番心に残っています。夕日が沈んでいくサンセットのあの景色は、水平線がどこまでも広くて、これまで僕が見た風景の中で一番綺麗で。
夕日のオレンジ色の光を見つめながら、「やっと立ち止まって、自分の現在地を再確認できた」と実感したことを覚えています。本当に心に残っていますし、ここで撮ってもらった1枚は、表紙にもさせていただきました。
本田響矢 スタイリングは「いつもの自分に近い」私物の革靴を履いたカットも
――写真集で見せているスタイリングは、私服に近いものですか?
そうですね。ありのままの自分を見つめ直したいという思いから、いつもの自分に近いスタイリングで、今までになかなかないぐらい、かなり時間をかけて衣装合わせをさせていただきました。普段、僕はよく革靴を履くのですが、私物の革靴を履いた写真もあります。
――本田さんはファッション好きだそうですが、ロサンゼルスで買い物はしましたか?
本当は服をいろいろ買うつもりで行ったのですが、実際はそれほど買いませんでした。写真集の中にもある美術館で、バスキアの絵がプリントされたブランケットタオルを買ったり、家具屋さんで絵画を買ったり。その土地でしか見られないもの、そこで買うことに意味があると思うものを、いろいろ購入しました。
――今回の写真集は、これからの本田さんにとってどんな存在になりそうですか?
26歳のいまの自分がどんなことを考え、何を目標に生きていたかって、今は覚えていても、時が経つとどうしても思い返せなくなってしまうと思います。でも今回の撮影を通して、自分の立ち位置から見える景色を再確認して、今の自分の感情や考えを形として残すことができました。
ここからまた新たなスタートをきるつもりで、大きく一歩を踏み出せるきっかけになった1冊だと思います。
