2020年に「うっせぇわ」でメジャーデビューを果たし社会現象に、2025年4月からは日本人最大級規模の世界ツアーを大成功で収めた歌い手・Adoさん(23)の半生を描いた初の自伝的小説『ビバリウム Adoと私』が2026年2月26日に発売されます。

これまであまり語られてこなかった幼少期から、不登校となった学生時代、救いとなった「歌い手」への挑戦、そして「Ado」誕生からワールドツアーへの躍進までが余すことなく描かれています。
また、小説を元に作られ、自身が作詞作曲を手がけた新曲「ビバリウム」も2月18日に配信リリース。

そんなAdoさんに、今回は取材をしました。

「人生の決断に年齢は関係ない」というAdoさんが思う“大人”への変化と夢のかなえ方、そして人生のテーマとして掲げている「自愛」についても明かしました。

さらに、「その気持ちはどうかおさえないで欲しい」と、かつてのAdoさんのように孤独な“ビバリウム”(※)に閉じこもっている人へのメッセージも語りました。

(※)ビバリウム:生き物(特に爬虫類・両生類)の生息環境を再現した飼育空間の総称で、自然環境を切り取ったような箱庭・ケージのこと。

Ado 初の自伝的小説は「不登校時代や家族のことがすごく濃密に」

2020年に「うっせぇわ」でメジャーデビューを果たしたAdoさんは、いきなり社会現象に。
2022年1⽉に発売した1stアルバム『狂⾔』や映画『ONE PIECE FILM RED』の楽曲を収録したアルバム『ウタの歌ONE PIECE FILM RED』は、ランキングを席巻しロングヒット。

さらに、2025年4⽉からは世界33都市を回る⽇本⼈史上最⼤級規模の世界ツアーを開催し、⼤成功を収めると、11⽉には⾃⾝初の東阪ドームツアーを完遂。2026年7⽉には⽇産スタジアム公演を開催予定です。

初の自伝的小説『ビバリウム Adoと私』

――初の自伝的小説『ビバリウム Adoと私』 はどのような内容になっていますか?

今回の『ビバリウム Adoと私』という小説は、自伝的小説ということで、私の人生を書いていただいた小説になっています。不登校時代など幼年時代から、「うっせぇわ」でどのようにしてデビューに至ったのか。そして数々のライブとその裏側や、私の家族のことがすごく濃密に書かれています。

――ご自身の自伝的小説が発売すると決まった際のお気持ちを教えてください。

いよいよ発売できると思うと、ちょっとした緊張もあります。
今まで語ってこなかった部分を書いていただいたので、私の人生をたくさんの人に知ってもらうことになります。

今の私のファンの皆さんや、「うっせぇわ」までしか知らない方など、色んな方が、『ビバリウム Adoと私』を手に取って読んだ時に、どういう反応をされるのか、ちょっと気になっていますが、これまで語ろうとしても語るタイミングが難しかったお話もたくさんあるので、今回、自分のことを知っていただく機会をいただけて、うれしいです。

デビュー前は自宅のクローゼットで歌声を録音していたAdoさん。

タイトルの「ビバリウム」とは、生き物(特に爬虫類・両生類)の生息環境を再現した飼育空間の総称で、自然環境を切り取ったような箱庭・ケージのことをいいます。

――『ビバリウム』というタイトルに込めた思い、このタイトルにした理由を教えてください。

本来の「ビバリウム」という意味合いですと、生き物たちが過ごしやすい空間を作った箱庭という意味合いなのですが、この生き物にとって過ごしやすい環境というところが、私がずっとこもって歌ってきたクローゼットや、自分の子供部屋と合っていて、“私”というものを表しているなと思いました。

学生時代は毎日、ボーカロイドや歌い手、ニコニコ動画を見て聞いてと、ずっと自分の部屋にこもって好きなものに囲まれていた環境だったので、それを客観的に見た時に、「ビバリウムにいるみたいだな」「箱庭にとじこもっているみたいだな」と思ったので、“ビバリウム”という単語がピッタリかなと思いました。

――小説という形の表現に携わってみていかがでしたか?

小説という形が一番、私というものをたくさんの人に見てもらえる形だったかなと思います。自分の人生の自伝的小説が出るなんてのも面白いなって。

私は小さい頃から、歴史上の人物の自伝の話や伝記の漫画がすごく好きだったので、自分がその方向になって人生を振り返るというのはすごく面白いと思いました。

――この作品を、どんな人に手に取ってもらえたら嬉しいですか?

私のファンの皆さんはもちろんですし、「Adoは『うっせぇわ』のイメージだな」という方や、名前しか知らないという方など、色々な世代の方に私の小説や楽曲を手にとってもらえたら嬉しいです。

私の人生に触れて、「あ、自分の人生、意外と大丈夫かも」と誰かの励みになってもらえるような形になったら嬉しいですし、同じような境遇だった、もしくは今同じ環境だという人たちの救いに、誰かの心の寄り添いにもなれたら嬉しいかなと思います。

――今、世界中のどこかで、かつてのAdoさんのように孤独な“ビバリウム”に閉じこもっている誰かがいるとしたら、今のAdoさんはどんな言葉を届けたいですか?

無理をして出てくる必要も正直ないといいますか、本当に怖いもの、目を背けたいものがあって、そこに立ち向かう勇気があるのであれば、それは素晴らしいことだと私は思います。

でも、みんながみんなそういうわけではないですし、私も実際そうでした。もし、そういうきっかけがあったとしても、むやみやたらに立ち向かう必要もないとは思いますし、出てこなくたっていいとは思います。

それでも自分の中の希望や灯火が、変わりたいという気持ちなのか、夢をかなえてみたいという気持ちなのか、ここから出たいという気持ちなのか。自分の中の小さい光が、もしまだキラキラと輝いているのであれば、もしくは本当はここから出てみたい、そのドアを開けたいなと、小さくでも思っているのであれば、その気持ちはどうかおさえないで欲しい。

その心とたまにでも良いのでお話して、向き合ってもらえたら、少しだけでもビバリウムの中もいい意味で景色が変わるんじゃないかなと思っているので、私は「外に出ましょう」とは言いません。でも、自分が心の内で願う景色、自分の心の内に小さな輝きがあるんだとしたら、私はその光を、外の光と重ねて欲しい。重ねてみても、きっと素敵なんじゃないかなと思います。

本作のタイトルに込めた思いや、「自分の心の内にある小さい輝きと外の光と重ねて欲しい」と、孤独な“ビバリウム”に閉じこもっている人への素敵なメッセージを語ってくれたAdoさん。

そんなAdoさんが思う“大人”への変化と夢のかなえ方、そして人生のテーマとして掲げている「自愛」についても語りました。