――本作には「トー横キッズ」と年齢の近い、10代後半~20代前半のキャストも出演します。

宮﨑:今回が初舞台だっていう方もいますが「しっかりしてるな!」って思います。すごいなあって。僕がデビューしたばっかりのころは「できません」「わかりません」を前面に出していたのに、彼らからは意地でも食らいついていってやるという気概を感じます。

左から)宮﨑秋人、朝海ひかる

朝海:私も皆さんと同じくらいの年頃のときは、まだ人様の前に出られるような人間ではなかったので(笑)。

宮﨑:ははははは! そんなことあります?(笑)

朝海:ほんとに(笑)。だから本当にすごいなと、感心しかないんですけれども。それから、私の台詞で「亭主元気で留守がいい」というお決まりのフレーズがあるんですが、10代の方々はおろか、20代の綱さんも「知らないです」「どういう意味ですか?」って言うんですよ。

かつては当たり前だった価値観も変わっているんだ、と改めて感じて、日々意識がアップデートされていますね。それこそ秋人くんが子どものころから今も、だいぶ違うじゃない?

宮﨑:そうですね。

朝海:今この作品を通して、社会の変化をすごく感じています。

新宿は「馴染みは三丁目」(宮﨑秋人)、「探検できる街」(朝海ひかる)

――物語の舞台となる新宿も、世相を反映しながら常に変化してきました。新宿という街に、どのような印象を持っていますか?

宮﨑:僕は東京育ちですけど、もともと怖い街だなあっていう印象はありましたね。2000年代に一斉摘発があったりして変わったなとは思いましたけど、でも新宿らしい「怖さ」はやっぱりあって。それはもう文化だな、それはそれで新宿らしくていいんじゃないかな、と思いますけどね。新宿で僕が馴染みがあるあたりというと三丁目ですかね。

朝海:高島屋があるあたり?

宮﨑:伊勢丹と二丁目の間あたりの、まあ飲み屋街ですね。一人で昼から飲んでます。

朝海:そうなんだ(笑)。

宮﨑:それこそ紀伊國屋ホールで観劇したあとに飲み屋さんに入ると、友達がたまたまテラス席にいたりして、それで一緒に飲んだりとか。

朝海:へぇ~! 素敵な休日。

宮﨑:僕、居酒屋で出会ったサラリーマンの方と一緒に飲んだりします(笑)。

朝海:それはすごい(笑)。私は東京出身ではないので、新宿といったらまさしく「大都会」、いいものから悪いものまで全部が詰まっている街というイメージですね。怖いとか危ないっていうことではなく、気持ちをグッと入れないといけない、パワーが必要な街だなと思います。

朝海ひかる

――新宿という街に集まる人のエネルギーは圧倒的だなと感じます。

朝海:そうなんです。渋谷や銀座ともまた違う、新宿独特のパワーがあるなと思います。でもありがたいことに、一度公演をさせていただくともうそこが自分の「シマ」のような感覚になるんですよ。

それこそ新宿駅から紀伊國屋ホールに行く最短ルートだとか、「あ、ここから降りたらここに行けるんだ」とか。一回探り出すととても楽しい、探検もできる街だなあって思います。少しずつ攻略していくような、そういう楽しみができるようになりました。

左から)宮﨑秋人、朝海ひかる

――最後に、公演を楽しみにされている皆さんへメッセージをお願いします。

朝海:『Too Young』という意欲作が、観てくださった方にとって、家族やまわりの人のことを誰かと話し合うきっかけになったらいいなあと思います。それが他愛のない話であっても、会話することが前に進むきっかけになったら、と願っています。がんばります!

宮﨑:歌舞伎町が題材の演劇を、紀伊國屋ホールという新宿のド真ん中で上演します。劇場のなかで歌舞伎町を感じて、観劇後に劇場の外に出て新宿を浴びる。なかなかない、おもしろい演劇体験をしていただけるんじゃないかなと思います。がんばります!