撮り下ろした写真と共に、庄司さんが書き下ろした文章が組み合わさり、まるで純文学作品のような、エモーショナルな1つの物語が繰り広げられる1冊となっている今回の写真集。
お気に入りカットを聞いてみると、「すごく面白い絵ができたと思う」と1枚を選んでくれました。
「すごく面白い絵ができた」お気に入りカットは“上半身をベルトで縛った”1枚
――今回の写真集の中で、お気に入りカットを教えてください。
この割と冒頭に来ているカットですね。
ここでは、まず冒頭に文章があって、このカットの後にも1つ文章がくるという構成になっています。どう文章と文章のつなぎを表現しようかなと思った時に、「ベルトで結ばれる」ということをやってみようと。腕の部分や上半身をベルトで縛っていて、ファッションシーンとして、すごく面白い絵ができたと思っています。
基本的にはブラックコーデですが、そこに塗料を顔に塗って。さらに、ベルトを締めたときも意外と自分の中で動けたなという感覚がありました。縛られている事実は変わりませんが、意外と動ける余地があるという面白さ。抜け出そうと思えば、抜け出せそうなところがあるといいますか。見えとしては縛られていますが、遊びがあるみたいなところで、またこの後の文章につながる絵ができたと思うので、このカットを選びました。
――常に「抜け出そう」や「自由」などを思われていたり、なにか窮屈さを感じているのでしょうか?
2年前くらいはそんなことを思っていましたね。窮屈だなと思う時間は多かったですが、最近はお気に入りに選んだカットのように、実はそれなりに遊びがあって余暇があります。
もちろん、この仕事をしている上で、縛りという強めの言葉を使うのであれば、色んな瞬間であると思うんです。それを感じる時間もないと言ったら嘘になりますが、社会を生きるということはどこかに属するということなので、大なり小なり、みなさん組織に属するという縛りがある。そういった当たり前のことが、理解できた瞬間から、割と遊びがあるなと思うようになりました。
――今の庄司さんを表している写真ということですね。
そうですね。でも、僕自体が少しグレーなラインに行くことをワクワクしてしまう人間なので、そこを周りの方に必死に抑えていただいているんですけど(笑)
庄司さん自らが書き下ろした文章を元にテーマを設け、ストーリーとして落とし込み、撮り下ろされた今回の写真集。
前衛的でありながら、どこか叙情的な文章の数々。まるで、ひとつの映画を見たかのような読後感を味わうことができます。
――文章はいつ頃から考えていたのでしょうか?
割と直前です。写真集を作ろうとなってから、文字にすることもせっせと進んでいった感じなので。
自分の中ではいくつかこれ面白いなとか、こんな考え方あるなというのを普段からメモしていたものがあったので、その辺りと混ぜつつですかね。
――熟考されたり、書き直されたりもしたのでしょうか?
1回マネージャーさんとかの反応を見ることはします。自分で60点っぽいなと思っていて、本当に60点であるかを確認するといいますか。タイトルもそうでしたね。
「ちょっとどうかな?うまくいっていない気がする」というのを1個投げてみて、その中で新しく探せるものもあると思うので、ボーダーを知っていく感じでやっていました。
写真集を渡したい相手は?「僕から会いに行くとすごく喜んでくれる」
――今回の写真集は、どなたに渡したいですか?
家族と祖父ですかね。祖父もそれなりの年齢になってきて、東京に来て会うというシチュエーションはどうしても難しくなってきています。僕から会いに行くと、すごく喜んでくれますし、庄司家は芸能に属している人間が今までいない家系なので、常にちょっと面白がってもらえるというか。
25歳にもなって、成長したよというのもやや恥ずかしいですが、最新の自分の姿を見てもらえるというのは、祖父や生まれた時から知っている両親にとって、安心材料かもしれないですね。
また、祖父の友達グループに「なんや浩平くんがな~」と言ってもらえるだけでもうれしいですし、僕は十分幸せだなと思います。
――今作は、感情を揺さぶる「純文学的写真集」ということで、直近で感情を揺さぶられた出来事や、お相手を教えてください。
いろんな記念やタイミングが重なったので、親をちょっといいお店に連れて行ってみようと思って。今まで出来なかったので、人生で初めて、少し「えー!」となるような金額のところに連れて行って、花束を両親にあげました。そうしたら父親が「なんか俺死ぬみたいだな」と言っていましたね(笑)でも良い時間でした。
撮影:河井彩美
スタイリスト:平松正啓
ヘアメイク:清末めぐみ
【インタビュー後編】「結婚も子育てもしたい」ドラマ『40までに』で話題の庄司浩平 役とは異なる恋愛観や特撮でデビュー飾るも苦悩を告白
【写真集概要】
『庄司浩平写真集 だから、ぼくは』
価格:3300円
発売日:2025年10月28日(火)
発売/発行:株式会社KADOKAWA
