「ワークマン」と、職人が作る高額商品には、それぞれの“こだわり”がありました。
5月17日(火)放送の『所JAPAN』(カンテレ・フジテレビ系)では、高機能で話題のブランド「ワークマン」と、“皇室御用達”職人&女性家具職人が作るこだわり高額商品を勝手に比較!
スタジオには、所ジョージさん、佐々木希さん、カズレーザー(メイプル超合金)さん、田中直樹(ココリコ)さん、中村倫也さん、若槻千夏さんが登場。またVTRで、横澤夏子さんが出演しました。
ワークマン社員がこっそり教える、買って良かった商品ベスト3
驚くほど激安なのに、便利な機能を持つ「ワークマン」の商品。
2021年顧客体験価値ランキング(株式会社インターブランドジャパン調べ)で名だたる企業を抜いて、第2位を獲得しています。
そんなワークマンには、1700種類ものアイテム数が存在。その中からお気に入りを見つけるのは至難の技です。
そこで、ワークマンの社員90人に「お客さんとして実際に買ってよかった商品は?」と質問。
「ワークマン社員がこっそり教える、買って良かった商品ベスト3」を発表しました。
第3位「撥水ライトプリーツスカート」
カジュアルからフォーマルまで幅広い世代に人気の織目がついたプリーツスカートに撥水機能が。
社員のみなさんからは、「このスカートが出てから、水はね、泥汚れが気にならない」、「機能性があって、値段が安い。伝説になる商品」との意見が。
第2位「エアロストレッチ クライミングパンツ」
伸縮率が特徴で、UVカット、吸汗速乾、防虫加工の機能がついたパンツ。
社員のみなさんからは、「この商品、新しいなと思って着たら一気にファンになって、ずっと使っています。特徴はよく伸びる」、「デスクワークでパソコンを打っていても、リラックスした状態で仕事ができる」との声が。
第1位「アスレシューズ ハイバウンス」
ワークマンが2年かけて独自で開発した、「バウンステック」という高反発ソールがついたシューズ。
社員のみなさんは、「履き心地のよさ。それがダントツでした。シーンを問わず、ほぼ毎日愛用しています」、「めちゃめちゃ動きやすい。履きやすさ、それに限ります」と絶賛しました。
中村倫也が称賛!ワークマンの「ライトスリッポン」
ワークマンには、シューズだけで145種類も展開。
今年の4月には、大阪府大阪市に「ワークマンシューズなんばCITY店」をオープン。その中で人気なのが、「ライトスリッポン」です。
足の負担を軽減するため、ライトスリッポンの重さは、およそ160g。脱ぎ履きが面倒な人のため、スリッパとしても使えます。
スタジオで試着をした中村さんは、「めちゃくちゃ軽いです。履いていないみたい。よくできています」と称賛しました。
24万2000円の高級スリッパ「president’s footgear」
ワークマンのライトスリッポンは、1500円とお手ごろな価格。しかし、世の中にはこだわりすぎた職人が手掛ける高級スリッパも存在します。
そのお値段はなんと、24万2000円。ライトスリッポンの約160足分です。
そんな高級スリッパを作っているのが、東京都足立区にある「SANAX」。出迎えてくれた高橋直道さんは、上皇ご夫妻がインドをご訪問した際など、何度もスリッパを納めてきた、皇室御用達の職人です。
早速、スリッパを製作しているところを見てせてもらうことに。
まず取り出したのは、スリッパの内側に使用する馬の革。高橋さんは、「馬っていうのは、足に非常に汗をかいたりする。(耐久性があるので)変色しない」と説明。
底面には、丈夫で消音効果がある、豚のシェービングレザーを使います。
一番メインの革は、外側に使用するレザー最高級のクロコダイルの背中とお腹部分。どこを使ってもいいわけではなく、腑(革の柄)が細かいほど美しいとされている部分を、厳選して使用します。
スリッパに使用する素材は、もちろん高級品ですが、高額の秘密は「こだわりの職人技」にあるといいます。
まず行うのが、「裏打ち」という作業。クロコダイルの革は引っ張る力に弱いため、豚革を裏側に貼りつけます。
続いて、直線や曲線も作業しやすいレザーナイフで4種類の革を裁断し、それを縫製します。「ミシンをかけるだけでも革は伸びてくる」と、革のクセを読みズレないように、手の感覚だけで縫い合わせていきます。
実は、この縫い作業こそが24万円もする高級スリッパのこだわり技の最高峰。通常、スリッパの作り方は大きくわけて、圧着製法と、外側から縫い合わせる製法の2種類があります。
しかし、高橋さんの作り方は、裏返した状態で縫製し、それを表にひっくり返すというもの。そうすることで、縫い目は外に出ずに、美しい見た目になるといいます。
また、クロコダイルの革は固く、簡単にはひっくり返せません。そのため、調理用の蒸し器にいれ、革に熱と水分を加え、伸縮性を出してからひっくり返しています。
そのあとは、特製の木型に入れ、革がぴったりとなじむようにハンマーでたたき、スリッパの形を整えます。
そして完成したのが、24万2000円する、高級スリッパの「president’s footgear」です。
番組は、作業を見せてもらったお礼に、ワークマンのライトスリッポンをプレゼント。高橋さんは「こういうの刺激になるんですよ」とにっこり。
また、高橋さんは、自身がつけている前掛けが、ワークマンのものであると明かしました。
所さんが、「president’s footgear」を試着すると、「気持ちいいんですけど!布団の中に入って、首をちゃんとした感じ」と表現しました。
ワークマンのキャンプグッズ「ローチェア」
ワークマンは、今年2月から初心者向けキャンプグッズを本格導入しています。
もともとは作業着メーカーということで、その道のプロであるキャンパーからの意見を聞いて、商品開発や品質改良を行っています。
品質改良の現場を訪ねると、出迎えてくれたのは、ワークマンキャンプ用品開発担当の鐵本孝樹さんと、ワークマンアンバサダーでキャンプブロガーのサリーさん。
忖度(そんたく)なしで物申すサリーさんでしたが、この日文句なしで唸った商品が「ローチェア」。「体をちゃんと支えてくれる感じがあって、座りやすい」と評価しました。
鐵本さんは、「座面全体に燃え広がりにくい加工を施しています」と説明。
加工のない一般的なイスに火を置くと、どんどん燃え広がってしまいますが、ワークマンの「ローチェア」は、耐熱性に優れたシリコン樹脂を使っているので燃え広がりません。
カラー展開は、6色と豊富で、自宅のインテリアとして使用する女性が増えているんだそう。
「好きなことをやらないと!」女性職人が作る「ヘラチェア」
一方で、「ワークマン」に負けていない、職人こだわりの高級椅子もあります。
それが、独特な形状が目を引く、ギリシャ神話に登場する女神から名づけられた「ヘラチェア」。高額ながら、展示会に出品すると、2週間で40件の注文が殺到するほどの人気商品です。
そんな高級椅子を作っているのは、新潟県糸魚川市にある「有限会社 匠-TAKUMI」に務める、家具職人の長内優依さん。日本の女性家具職人は、長内さんを含め3人程度だといいます。
長内さんは、祖父の代から大工家系だそうで、「小学校のときから、木と釘でいろんなものを作っていたりして。イスが一番、曲線が美しい。見ていても飽きない。イス職人になりたいと、ずっと思っていたんです」と明かしました。
しかし、お年頃になりファッションに目覚めた長内さんは、大学卒業後、都内のアパレルショップに就職。
それから結婚、出産、離婚を経て、自らの人生を見つめ直したといいます。
「29歳のときに、『一生に一度の人生だから、好きなことをやらないと』と思って、(家具職人の)職業訓練校に(入学しました)。それがやりたいと思ったら、やらないともったいないので」。
そこから、30歳を前に一大決心をし、シングルマザーで子どもを育てながら、34歳でイス職人を志し、新潟へ移住。
そんな長内さんに、こだわりのイス作りを見せてもらいました。
まずは、型に沿って木材からパーツを切り出す「木取り」という工程から。
長内さんが使用するのは、木目がキレイなブラックウォールナット。その木目が途切れないように、木取りすることで、仕上がりが美しく強度が増すのだといいます。
5種類の機械を駆使して、丁寧にパーツを切り出したら、背もたれ部分のパーツをボンドで接着。
この際も、立体で見ても木目が繋がって見えるように丁寧に作業します。
続いては、背もたれ部分の成形を行います。
ワークマンの燃え広がりにくいローチェアは、背もたれに丈夫なストレッチ性の高い生地を使うことで、どんな体型でもフィットするようにこだわっていました。
しかし、長内さんの場合は、刀やカンナを使って、形を削り出して作ります。「刃物じゃないとシャープなラインが出ない。図面もなく、手の感覚だけで削っていきます」と説明しました。
特に重視するのが「背中の当たり」。「(背中の当たる)角度を、(座って)気持ちのいい角度にしたくて、オリジナルで追及して」と、試作を繰り返すこと4年でたどり着いた形だと明かしました。
さらに、背面は赤ちゃんのお尻の丸みを表現。購入者がよりイスに愛着がわくように、思いを込めたといいます。
曲線を作り出す南京カンナで、こだわりの丸みを滑らかにし、表面をサンドペーパーで馴染ませたら、オイルで塗装。
「(塗装が)ニスだと(表面に)膜ができるだけなので、時間が経つと汚く見えますし、木の風合いがまったくなくなってしまう」と、塗装はオイルのみ。
最後に、イスの座面を張る、「椅子張り」を行いヘラチェアが完成。そのお値段は、17万5000円。
長内さんは、「お客さまに、作りを見せると『安いんじゃないの!?』と心配されます」と語りました。
スタジオには、ローチェアとヘラチェアが登場。中村さんと田中さんが、その座り心地を堪能しました。