AKB48グループといえば、「選抜総選挙」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
新曲を歌うメンバーを決めるファン投票の結果を発表するイベントは、2009年に始まり2018年まで毎年行われ、いつしかテレビでも取り上げられるほど話題を呼びました。
そんな総選挙に初回から参加していた松井さん。当時の心境を聞くと、計り知れないプレッシャーに押しつぶされそうになりながら戦っていたことを明かしました。

念願の1位を獲得 松井珠理奈にとって総選挙とは?

選抜総選挙の初回から参加していた松井さんは、第1回の2009年に19位を獲得。
翌年2010年には10位まで順位を上げますが、2011年には14位に。その後は、2012年9位、2013年に6位、2014年には4位と着々と順位を上げ、2016年と2017年は3位。
そして、2018年に行われた総選挙では念願の1位を獲得。総選挙の女王に輝きました。

――松井さんにとって総選挙は、どんなものでしたか?

どんなものか…難しいな…。
学校で言ったら1年の通知表みたいな感じですかね。でも総選挙は1人1票ではないし、何が起こるか本当に分からない。

9回目の総選挙は指原莉乃さんが1位で渡辺麻友さんが2位、私が3位でした。私が1位にしていただいた最後の総選挙(10回目)ではお二人が出ないということだったので、周りから「1位になってね」「頑張ってね」ではなく、「もう1位だね」「次は1位だ」と。みなさん愛を持って言ってくださるのですが、最後の総選挙は初めて地元で開催されて、さらにSKE48も10周年という節目だったので、「これで1位にならなかったら、私はどうなるの?」と、すごくプレッシャーでした。最後3日間くらいはほぼ寝ずに生配信したり、全然落ち着かなかったです。

でも、総選挙が始まってから社会現象になって、ファンの方が増えたり、もっと応援しようと思ってくださる方もたくさんいらっしゃったので、すごく嬉しかったです。
総選挙があるからこそ、注目されるメンバーがいたり、いつもは立てないポジションに立てたりする夢はすごくあるなと思いますし、ファンの方とこんなに1つのことを一緒にやることはない。一緒の気持ちで戦うことはないと思うので、そういう意味では結束力が生まれて良かったとも思います。

――1位を獲得して、景色は違いましたか?

せっかく1位に選んでいただいたのに、すぐに休養してしまったので、総選挙1位としての活動をあまり出来なかったことは、本当にファンの方にごめんなさいという気持ちでいっぱいです。

指原さんは総選挙を連覇されているじゃないですか。ということは順位が下がるしかない。キープか下がるかというプレッシャーは凄いだろうなと思っていて。

なので、もし1位にならせていただいた後に、1位としての活動をしていたとしても、「今後これをキープしなければいけないんだ」というプレッシャーで、結局どこかで潰れていたと思いますね。

「当時はすごく戦っていましたが、今は穏やか。そういう成長もお見せできたら」AKB48 20周年コンサートの意気込みを明かす

――アイドル時代、一番印象に残っていることは何ですか?

ファンの方からの言葉がすごく印象に残っています。
その中でも、「僕は引きこもりだけど、テレビで珠理奈ちゃんを見て、握手会に行きたいと思って家から出ました」という手紙をくださった方がいて。

その時に、私の職業って人の人生まで変えるんだ!とびっくりしました。自分は、こんなにすごいことをしているんだということをその時に思って、その瞬間が頭に残っています。

そして2025年で、20周年を迎えたAKB48は12月に日本武道館でコンサートを開催。
スペシャルなコンサートには、前田敦子さんや大島優子さん、板野友美さん、小嶋陽菜さんら豪華OGメンバーが勢ぞろいすることでも注目されています。

――12月のコンサートには松井さんも参加されることが発表されていますが、リハーサルは始まっていますか?

まだですね。何を歌うかも決まっていないです。
自分の中では「あの曲歌いたいな…」と思う楽曲がある感じです。

――久しぶりのアイドル復帰になりますが、意気込みを教えてください。

とは言え、AKB48の20周年で、現役のメンバーが主役だと思うので、その子たちに楽しんで欲しいですし、一緒にパフォーマンスできて良かったと言ってもらいたいなというのが一番です。

一緒にステージに立ったことがないメンバーもたくさんいるので、今の48グループのイメージを大事にしながら、昔の歴史も大事にしているなとファンの方が思ってくださるようなパフォーマンスをしたいと思っています。

――現役時代はグループを引っ張る存在で、責任感も大きかったという話がありましたが、卒業されて、今回のコンサートでは純粋に楽しむという感じでしょうか?

そうですね。当時、SKE48は本当に体育会系で。パフォーマンスにすごく命をかけていて、それが当たり前みたいな感じだったので、自分にも厳しいですし、周りにも厳しかったです。全力100%、120%でやることが良いと思っていましたが、色々なことを経験してきて、それが必ずしも正しいわけではなく、人それぞれのペースがあるということも学びました。

なので、今はちゃんと人にも優しく、自分にも優しくを心がけているので、もしかしたら当時のイメージで怖いと思っている後輩がいるかもしれませんが、そのイメージを覆したいという裏テーマもあります(笑)。当時はすごく戦っていましたが、今は穏やかなので、そういう成長もお見せできたらいいなと思っています。

撮影:河井彩美
スタイリスト:野田陽子(ミタケイショウ)
ヘアメイク:萩村千紗子

【写真集概要】
松井珠理奈写真集『アイヲシル』
発売日:2025年9月9日
定価:3850円

表紙(帯あり)撮影/鈴木ゴータ