広瀬すずさんと、横浜流星さんが撮影現場で打ち解けるきっかけのひとつが、ジャングルポケットの「マグロの解体ショー」のコントだったそうです。
5月8日(日)の『ボクらの時代』は、5月13日(金)公開予定の映画「流浪の月」に出演する、広瀬すずさん、松坂桃李さん、横浜流星さんが2週にわたって登場する前編を放送しました。
人見知り同士「余計にしゃべれなくなっちゃって」
広瀬さんと横浜さんは、「流浪の月」が初共演。
「お互い人見知りというか、なんかちょっと壁がある感じ」(横浜)、「(横浜さんは)『私超え』の人見知りだったから、私、余計にしゃべれなくなっちゃって…」(広瀬)と、当初はあいさつ程度しかできなかったといいます。
松坂:それが解けたのは、どういうタイミングだったわけ?
横浜:2人の距離感を縮めるところからまず始めようって、2人っきりにさせられて、お互いの話をし合ったりとか。あとは、自分が人見知りっていうのもあって、みんなの前で、ジャングルポケットさんのコントを披露させられたり…。
広瀬:(笑)。そう。「マグロの解体ショー」のコントを。
横浜:しましたよ。
松坂:ジャングルポケットさんのネタを、完コピしたってこと?
横浜:はい。完コピしました。
広瀬:(李相日)監督が、「なんかコントでもやれば?」みたいなことを言って、うちら全員廊下に出されて。
横浜:そうなんです。
広瀬:ずっと、リハ室から1人で練習してる音だけ聞こえて。「できました」って言って、入っていったら…。
松坂:ネタ見たの?じゃあ。
広瀬:ネタ見ました。
松坂:「マグロの解体ショー」?
横浜:(笑)。
広瀬:めっちゃ面白いんですよ、しかも。
松坂:あ、めっちゃ面白いんだ。
広瀬さんは「流星くんって、こんなにはじける人だったんだ!」とわかり「いい時間だったんです」と振り返りました。
広瀬すず、心理テストで横浜流星との回答が合わず…
松坂さんは、事前に李相日監督の現場は「厳しい」と聞いていたため、撮影に入る際は「めっちゃ緊張した」と振り返りました。
横浜:いや、緊張しましたよ。
松坂:するよね。
横浜:はい。
松坂:「ああ、俺、終わる。終わったな」っていうね。
広瀬&横浜:(笑)。
広瀬:それ、私と流星くんでずっとしゃべっていて。「あ、うちらはもうダメだ」みたいな。
横浜:そう。2人で自信をなくしていくっていう。
松坂:ああ、リハーサルのとき?
横浜:はい。
広瀬:うん。だから、もう撮影始まってからも「やばかったね」みたいなことを。でも話せたから、どんどん関係性が近くなれたというか。
横浜:はい。確かにそうです。
広瀬:共有するものが、時間しかなかったから。
松坂:何で盛り上がるの?そういうときって。
広瀬:2人でいるとき…心理テストやったよね?
横浜:あ、テストした。
広瀬:で、「あ、結構やばい人なのかな」とか(笑)。
横浜:(笑)。どういうこと!?
松坂:「いや、サイコパスじゃん!」みたいな(笑)?
広瀬:なんか全然、私と答えが毎回違うから…。
横浜:確かに全然、違いましたね。
心理テストの回答が合わず、広瀬さんは横浜さんと打ち解けるのが「余計難しい」と思ったと明かし、笑い合いました。
広瀬&横浜、2人きりの日常を過ごして
「流浪の月」は、2020年本屋大賞を受賞した小説の映画化。繊細で重いテーマを描いており、横浜さんは、役を演じる上で「これは落ちるしかないな」と思っていたと明かしました。
横浜:もう、ふさぎ込んじゃうかな、っていう。唯一の救いが、(広瀬さん演じる)更紗だったんですけど。
松坂:うん。
横浜:だから、待ち受けにしたりしていたんですよ、僕は。
松坂:おお!すずちゃんをね。
広瀬:(笑)。そうそう。私も一時期(待ち受けに)してた。
松坂:お互いのね。
横浜:(待ち受け画面の広瀬さんを)見ていて。でも、音楽をずっと聴いていました。amazarashiさんっていうアーティストが好きで。すごく心の救いになっているんですけど…。結構、もう、なんていうんですかね。哲学的で詩的な歌詞で、それをひたすらずっと聴いて、こうやって(うつむいて)家で過ごしてました。
松坂:やばいな。
広瀬:(笑)。
広瀬:リハで「演技とかお芝居関係なく、2人の時間を過ごせ」って言われて、ハウススタジオみたいなところ借りたんだよね。そこでテレビ見たり、一緒にご飯作って食べてとかしていたときに…。
松坂:日常だ。
横浜:そうですね。
広瀬:「昨日寝られた?」「あんまり寝られなかった」って言って。結構、朝方に寝てたから「それまで何してたの?」って言ったら、「え、天井見てたよ」って。
松坂:(笑)。
広瀬:「(じゃあ)テレビでもつける?」みたいな感じ。
横浜:そうそう、つけてくれて。
松坂:おっと、やばいぞ、天井見ちゃってるぞって。
広瀬:「でも、久々にテレビつけたかも」とか言って。「え、家にいるとき何してるの?」って言ったら、「壁のほう見てる」って(笑)。
松坂:(笑)。
横浜:言った、言った(笑)!
「本当に?」と驚く松坂さんに対し、横浜さんは「座禅とかされたことありますか?」と尋ねました。
松坂:ない。
横浜:結構、すっきりするんですよね。心が浄化されるというか。
広瀬:何かしているほうが、疲れちゃうんだね。
横浜:うん。なんかそれ(天井や壁を見るのは座禅)と同じような感覚なんですよね。
松坂:テレビとか見ない?
横浜:あんまり見ないです。
松坂:バラエティ番組とかも?
横浜:はい。
松坂:ドラマとかも見ない?
横浜:作品とか役によって変えようとしてます。結構、明るかったりしたら、人と会ったり、テレビとかもたぶん見ると思うし。下手くそなんで、パッと切り替えられなくて。
松坂:ああ、なるほどね。
広瀬さんは、会うたびに「今日寝られた?」と聞いていたと振り返り「お母さんみたいな感じで。とりあえずサプリメント飲みなさい」という感じで、横浜さんを気にかけていたと、撮影中のやりとりを明かしました。
松坂桃李、作品選びは「完全にバランス」
3人は「仕事の決め方」についても言及しました。
広瀬:(マネジャーと)相談しながらですかね。(私が)好きなものも知ってるし「(私が)でも、これは…」って思うものもわかってるから。(そのうえで)「でも…」って、プレゼンされることも…。
松坂:あるよね。そういうのね。
広瀬:でも、自分でやり過ぎると…。
松坂:偏るからね。
広瀬:うん。なんかそれもあんまり。そうなりたいわけでもなく、って感じなので。
松坂:バランス良くね。
横浜:逆に、(松坂さんは)どういうふうに選んでますか?
松坂:完全にバランス。重たい作品が続いたら「じゃあ、次はちょっとコメディっすかね」とか。年に1回か2回くらいチーフのマネジャーさんと打ち合わせて、「今年は結構重たかったんで、来年はホームコメディですかね」みたいな。「ホームコメディで、なんかちょっとテンポ感のあるやつをやってみたいですね。例えば、この脚本家の方とか、こういうテイストの作品とか」って。もちろん、マネジャーさんの意向とかもあるからケンカとかもするし。
広瀬:えー!
松坂:あるある。
広瀬:どんな感じですか?桃李さん、怒るとこ想像できない。
松坂さんは「『どうしても』と言われても、自分の中でピンとこないものもある。そういうときに、そっちよりは今こっちをやってみたい」といったやりとりの中で、スタッフと「バチバチ感」が生まれることがあると説明しました。
10代で仕事を始め「自分の人生経験が間に合わない」
また、「将来どうなりたいか」という、よく取材で受ける質問について…。
松坂:どうなりたいとかって、あるんですか?月並みな質問ですけど。
広瀬:ありません。
松坂:「ありません」(笑)。
横浜:さっぱり!
松坂:広瀬すずは、ありませんよ(笑)。
横浜:すごいよな。
広瀬:本当この質問、よく取材とかでありません?
松坂:あるよね。
広瀬:本当申し訳ないんですけど、「ないです」って、ちっちゃい声で言います。
松坂:そもそも続けるかどうかも、わからないしね。
広瀬:そうですね。
横浜:うん。
広瀬:このお仕事をずっとできること、ありがたいですけど、役のほうがいろんな経験をして、学生を演じたり、主婦を演じたり、サラリーマンを演じたりするじゃないですか。自分の人生経験が何も間に合ってなくて。“感情を知らないことだらけ”が、二十歳過ぎてからめちゃくちゃ増えて。
松坂:ああ。
広瀬:だから「ラブストーリーやります」っていっても、恋愛を基本的に、堂々とできないみたいな思考が10代からあるから、「いや、会えないとか、よくわかんないんだよな」とか。
松坂:いつからやってたんだっけ?
広瀬:14です。
松坂&横浜:14か。
広瀬:だから受験とか、部活の本当に最後の瞬間とか、社会人になったストレスだったり、不安とか出会いとか、ひとつも経験することがないから「人生経験がない」ってなっちゃって。それから、どんどんお芝居がふわふわして…。
松坂:じゃあ、もう作品で経験するみたいなこと?
広瀬:でも、もうそれって感情の方向性が台本に書かれているから。
松坂:そうだね。
広瀬:「本当にこうなのかな?」って疑問すら、もはやないというか。「こうなんだ」みたいな、そこ(台本)で知る、みたいな。
アルバイトも未経験という広瀬さんの話に、「小学6年生でスカウトされて、今の事務所に入った」という横浜さんも「バイトもしてなければ、恋愛も堂々とはできないと思っていた」と明かし、おおいに共感した様子でした。
5月15日(日)の『ボクらの時代』も、広瀬さん、松坂さん、横浜さんが登場する後編を放送します。