5月25日(月)、YouTube「フジテレビアラカルト」チャンネルにて、フジテレビアナウンサー陣による「デジタル紙芝居~注文の多い料理店~」の配信がスタートした。

新型コロナウイルスの影響で、自宅での親子時間を見直す人も増えたのではないだろうか。今回の配信は、読み聞かせや音読をこれからも楽しんでもらいたい、そんな思いが詰まったプロジェクト。あの宮沢賢治の名作「注文の多い料理店」の世界に、アナウンサー達の気合の入った朗読と美しい挿絵と共に、どっぷりとはまれるのだ。

そんなスペシャルな動画なのだが、制作過程を取材したフジテレビュー!!編集部員は、そのなんとも“手作り感満載”な現場に驚いてしまった。

簡易マイクとスマホで録音!「結構きれいに録れるんです」

ナレーションブースと呼ばれる録音用の部屋は使うのだが、機材の電源はオンにならず…。実は、携帯できる簡易マイクとスマートフォンで録音するというスタイル!しかも準備しているのは大ベテラン・西山喜久恵アナではないか。

その後、西山アナは、朗読をするアナウンサーのそばで指示を出しながら、スマホの録音を「REC」にして音声をチェック。アナウンサーの本気度も半端ではなく、今まで聞いたことのない声を出す人や、身ぶり手ぶりが加わり壮大なスケール感で読む人も!

島田彩夏アナ

西山アナは、プロジェクトの発起人のひとりで、朗読ではナレーションを務めている。楽しそうに作業しているところだったがフジテレビュー!!のインタビューに応じてくれた。

局内の仲間に描いてもらった絵に感激

――このデジタル紙芝居プロジェクトが立ち上がった経緯を教えてください。

西山アナ:そもそも私達アナウンサーがやれることは何なのか?朗読なのでは?と思い立って、最初は音声だけを公式インスタグラムにアップしようかと。でもさすがに5分間はもたないですよね。そこで絵の上手な他部署(デザイン担当)の仲間に声をかけたら…仕上がった絵が素晴らしくて!じゃあ、動画で紙芝居だね、ということになり、社内に声をかけさせてもらい、CSRや技術など色々な部署の方々が動いてくれたのです。

デジタルデザイン部の桐山三千代さんによる絵

ナレーション録りは深夜2時に西山アナの自宅にて

――西山アナが自らスマホで録音していましたが、ここまで手作りなのはなぜですか?

西山アナ:なるべく人の手を借りず私達でやれることはやりたいと思いまして。このマイクは海外に音声を送るときなどに使っていたもので、今回「使える」と思って引っ張り出してきました。音もきれいに録れますよ。私はナレーション(語り)を担当したのですが、実は自宅で録音してきました。近所の音が一番静かになった深夜2時でしたが(笑)。

――「注文の多い料理店」を題材に選んだ理由は?

西山アナ:私が幼いころから好きだった作品でしたが、今回子どもに何がいいかな?と聞いてみたら「注文の多い料理店」がいいんじゃない?と。大人になって読むとまたなかなか奥深いんですよ。

――朗読するアナウンサーはどのように決めたのですか?

西山アナ:私が「あなたと、あなたと、あなたやりなさい!」って言ったわけじゃないですよ(笑)。「興味ある人~」と聞いたら、すでに25人も手が挙がりました。皆、読みたくてうずうずしていますよ。

“3密”にならないよう一人ずつ録音

今回、朗読に参加したアナウンサーは、藤村さおりアナ、島田彩夏アナ、木下康太郎アナ、内野泰輔アナ。本来ならば全員揃って録音したいところだが、“3密”を避けるためひとりずつの収録に。録音担当の先輩アナ(西山アナ・奥寺アナ)と共に、こまめな換気と消毒をしながら実施していた。

藤村さおりアナ

藤村アナ「皆この朗読に参加したいという思いが強すぎて、メールの飛び交い方が尋常ではなかったです(笑)。私の役どころはちょっとちゃらけたキャラなので道化具合をどう出すか家で練習してきました。娘に眠りについてもらう読みとは違って、楽しくなって血が煮えたぎってしまいました!

島田彩夏アナ

島田アナ「久しぶりの朗読で、普段ニュースを読んでいる時とは違った一面もあるのだな、こんな風に読むのだな、と楽しんでいただきたいです。私の声色ですか?“地”ですよ(笑)。子どもに絵本読んでいる時は100%本気なのでいつもへとへとになるのですが、今回も全力投球です!」

木下康太郎アナ

木下アナ「朗読は新人の時以来で緊張しましたが、入社10年のキャリアに恥じないよう、相手の感情なども意識しながら読みました。自分の声でしっかり気持ちが伝わるように全力を尽くしましたが、先輩の島田アナには怒られるかもしれません(笑)

内野泰輔アナの朗読を録音する先輩・奥寺健アナ

内野アナ「 あっという間でしたが、普段なかなかできない仕事なのでドキドキしました。役どころとしてだけでなく、女性の先輩アナウンサーが担当するパートに急に入っていくということで“小物感”を意識しながら読みました(笑)。是非楽しんでいただきたいです」

物語の中で、誰がどの役を読んだのか?も楽しみたい。西山アナは「子どもだけではなく大人にも是非聞いていただきたいです。幼い頃読んだ時とは違った感覚で作品を理解できると思います」と手応えを感じているという。このデジタル紙芝居プロジェクトは第2弾以降も予定しているということで、若手からベテランアナウンサーらが、どのように作品を魅せてくれるのか注目だ。

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