――俳優としては撮られる側ですが、撮影中のカメラマンの動きなどは気になりますか?
すごく気になります。正解、不正解はない世界ですが、その方が何を大事にしていらっしゃるかがシャッターを押している最中、ダイレクトに伝わってくるので、「こういうふうに撮られるんだ」などとセッションを楽しんでいます。
古屋呂敏 ゆりかもめに揺られて通った夏のお台場
――フォトグラファーとしての今後のビジョンを聞かせてください。
行く行くは映画でも撮るのかなぁ。「こうなりたい」という明確なものはないんですよ。先のことというより、目の前の方をもっと美しく撮りたいとか、自分が撮った写真で誰かに喜んでもらいたいとか、ベクトルはそっちのほうに向いていて、フォトグラファーとして名を上げたいという思いも特にありません。

こうして取材していただいて記事になることが嬉しいし、その記事を読んで喜んでくださる方がいることも嬉しい。もっとガツガツしたほうがいい場合もあるんでしょうけど、そういうことより目の前の人が自分の作品を見て喜んでくださるほうが、心に響くんです。
役者としても同様で、僕が携わった作品で「心が揺れた」という方が一人でもいてくださったら嬉しく感じます。
――古屋さんとフジテレビというと、ミストマン(※)という深い縁がありますね。
※ミストマンとは、夏にフジテレビで開催される屋外イベントで、来場者を熱中症などから守るため、冷たいミストを噴霧しながらおもてなしをする男性ユニット。
そうなんですよ!2013年の『お台場合衆国』でミストマンとして、コットンの西村真二さんたちと一緒に活動していました。当時はとにかく暑かったですね。でも、毎日ゆりかもめに揺られて、お台場へ行くのが楽しくてしょうがなかった。今でも夏になると、そして、仕事でフジテレビを訪れるたびにミストマンを思い出します。

――最後に、めざましmediaのコンセプト“好きでつながる”にちなんで、古屋さんの好きなものについて聞かせてください。
好きなものは、僕の人生に彩りを与えてくれたカメラです。現在は15~20台くらい持っていて、レンズも含めると約500万円の機材を所有しているので、ずっと機材貧乏です(笑)。でも、心を豊かにしてくれるすごく幸せな存在です。
撮影:島田香