――まっすぐな翼と、言葉に重みのある蔵田、それぞれどのように演じたいと考えていますか?
福原:翼は、1人でも多くの人を助けたいとがむしゃらに頑張っているので、そこはブレずに、大事に演じたいです。
先日の児童相談所の見学で職員の方が、子どもに対しても保護者の方に対しても、最初からいきなりグッと近づくのではなく、相手に合わせた方法で丁寧に寄り添うことをすごく大事にしているとおっしゃっていました。
翼も、ただ周りが見えなくて突き進んでしまうのではなく、翼なりに考えて、ちゃんと助けられる近づき方をしていくと思うので、各家庭に向き合う場面は特に丁寧に演じたいと思っています。

林:台本を読み、蔵田は想像していたより、翼に厳しく指導する場面が多くて難しいなと思いました。翼は誰よりも子どものためを思って行動しますが、蔵田としては児童相談所に長年勤めてきて、踏み込みすぎてはいけないライン、逆に踏み外してはいけない場面があると考えていて。
間違いなく良いことをしている翼に対して“そんなに簡単なことじゃない”という思いから、厳しい指導を続けていきます。その蔵田のベースというか、絶対的に持っている考えを軸にして演じていけたらと思っています。
ちょうど台本を読んでいろいろ悩んでいるタイミングで、児童相談所の見学に行かせていただいて。蔵田のセリフにもしつこいぐらい出てくるんですけど、職員の方は「慎重に」というのを大事にしているとおっしゃっていました。同じ家庭は一つもないから、常にみんなで話し合いながら、とにかく慎重に進めていくと。
ただ、慎重でありながらも、やっぱり一番大切なのは「子どものため」で、常にそれを考えながら動いているそうです。でも、なかなか感情には勝てなくて瞬間的に動くこともあるとおっしゃっていたので、そのバランスを大事にしながら演じたいと思っています。
林遣都「僕自身が子育て真っ只中なので、共感することばかり」
――台本を読んで、共感したところはありますか?
福原:やっぱりいろいろな家庭があって、それぞれに家族のかたちがあって。一つひとつ違うけれど、どの家庭にも愛があるのだなと思いました。特に、子どもが親に対して抱く愛については共感といいますか、その大きさを感じました。

林:毎話、子育てに悩むご家庭が登場するのですが、僕自身がいま子育て真っ只中なので、共感することばかりです。
この作品は、それぞれの家庭のことを本当に奥深くまで見つめていく物語なので、もし子育てに悩んだり苦しんだりしている方がいたら、ドラマを観て心がちょっとでも軽くなっていただけるといいなと思います。