ある日のカフェ「ナガクラ」では、典子が先日取材を受けた雑誌編集者と向き合っていた。先日、千明宅で典子をモデルに撮った写真は全部嘘なので、無かったことにしてほしい、と。

話を聞き、もう作業が進んでいると断りながらも、典子に共感を寄せる編集者。そこで典子は思わず、自分の本音をあれこれと話し始める。

古い団地のリノベーションにも憧れるけど、自分には無理だと落ち込むし、家には思い出があって捨てられない物ばかり。でも実際は、みんなこんなもんなんじゃないのかと話しきると、典子はスッキリした表情に。

すると、編集者から「『水谷典子のみんなこんなもんでしょ』っていうタイトル、どうですか。連載ページの」と、思い掛けない言葉が投げかけられた。

友人・啓子(森口博子)の決意を聞いた千明(小泉今日子)は悩んでしまい…

外出先から職場に戻った千明は、冴えない表情を浮かべていた。

音楽プロデューサーである友人・水野祥子(渡辺真起子)に招かれたリリースパーティで、荒木啓子(森口博子)から、定年で今の会社を退職する決意を聞いたのだ。

込み上げる思いをこらえながら「友だちでいてね」と言った啓子を、「当たり前じゃない」とハグした千明。しかし大事な友人の選択に切なさを感じ、同時に自分は何を選択するべきか、悩んでもいた。

会議室で1人、物思いにふけっていた千明に、長年片腕として支えてきてくれた三井(久保田磨希)が声をかける。

かつて千明自身が言っていた仕事への姿勢を語り、「今の千明さんの顔でスタッフルームに入ってきてほしくないな」と叱咤する。

「嫌なことがあってもネタにしてみんなで笑い飛ばす。だから面白いものができる」

かつて千明からもらった言葉を返す三井。ずっと一緒にやってきた仲間だからこその激励に、気合いを入れ直す千明だった。