宋ハナプロデューサーと演出の平野眞監督が、『波うららかに、めおと日和』のドラマ制作の裏側や、作品に込める思いを語りました。
昭和11年を舞台に交際ゼロ日婚からスタートする、江端なつ美(芳根京子)と帝国海軍に勤める夫・瀧昌(本田響矢)の、歯がゆくも愛らしい“新婚夫婦の甘酸っぱい時間”を丁寧に描いたハートフル・昭和新婚ラブコメ。
恋愛に不慣れな2人が少しずつお互いを知り、不器用ながら愛情を深めていく様子がかわいらしく、SNSを中心に“うぶキュン”と称されています。
ドラマも折り返しを過ぎ、今後の夫婦関係が気になるなか、同作のプロデューサーと演出が、取材に応じました。
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なつ美と瀧昌のように、芳根京子と本田響矢も絆を深めている
――なつ美と瀧昌のピュアなやりとりが“うぶキュン”と称され、SNSを中心に盛り上がっていますが、反響をどう受け止めていますか?
宋:台本の時点から2人のピュアな感じを前面に出そうとは思っていましたが、そこに平野監督の演出が加わって、さらにもどかしさ、懐かしさを感じるドラマになっていると感じています。
セリフだけじゃない、2人の間に流れるちょっとした間やちょっとした目線も、平野監督のアイデアから生まれたものが多いです。
演出にも愛があふれていますし、現場も愛を持って取り組んでいます。そういった愛や楽しさが作品に伝わって、みなさんにも届いているのかなって。とてもありがたいことです。

――改めて、漫画原作の本作を映像化しようと思ったきっかけを教えてください。
宋:原作を読んで、なつ美と瀧昌、2人の世界観と日常が丁寧に描かれていて、現代とは違って流れる時間がゆっくりではあるけれど、その中で少しずつ気持ちを高めていくところがとても丁寧に描かれているのが素敵だったので、映像化を考えました。
「いい意味で不器用」本田響矢に平野監督が伝えたこと
――恋愛に不慣れな夫婦を演じる、芳根さん&本田さんはお2人にはどう映りますか?
平野:第5話で、「洗濯をお願いします」って洗濯物を渡すシーンがあって、そのとき、手が触れただけでドキドキしてるって、そんな夫婦なかなかいませんよね(笑)。
宋:2人は現場でこまめにコミュニケーションを取っていて、夫婦がときめく瞬間だけでなく、いかに“夫婦の姿”を見せようかと話し合っている姿をよく見ます。なつ美と瀧昌は絆を深めている途中ですが、芳根さんと本田さんも同じように絆を深めている感じがします。

平野:「こういうときってこういう感じだよね」みたいな感情の話をよくしていますね。前のシーンがこうだから、私って今こういう気持ちなんだよね、とか。2人でしゃべっているときは芝居についてすごく細かく話し合っているようです。
あとは、僕と芳根くんが「次のシーンこういうふうにしたいんだよね」などとしゃべっているところに響矢くんが入ってきて、みたいなことも。お互いに「こういうふうにしたい」とアイデアを出し合ったりします。
――お2人から、芳根さん&本田さんにリクエストしたことはありますか?
平野:あります。たとえば響矢くんはいい意味で不器用で…(笑)。そういったところは活かしたいので、「うまくやろうとしなくていい」というのは伝えました。その上で、妄想やモノローグでは少しメリハリをつけてほしいということも言いました。