──お互いが思う、なつ美と瀧昌の魅力を聞かせてください。

芳根:瀧昌さんは、真っすぐで、曲がったことが嫌いで、なつ美から見ても、その人柄がすごく信用できる人。

そして、とにかく「ギャップが愛おしいっていうのは、こういうことか!」と思うぐらい、なつ美に見せる顔と、心の中で思っていることのギャップがあって。そこにものすごく愛おしさを感じています。愛おしさの塊です。

本田:なつ美さんは本当に可愛いです。あたふたとしながら瀧昌のために行動していて、「本当に瀧昌のことが好きなんだな」と感じますし、表情一つひとつ可愛くて。ご飯作っていても、お布団を出すだけでも可愛い。とにかく愛おしい存在ですね。台本を読みながらキュンとしました。

芳根:なんかすごくプレッシャーを感じる(笑)。

本田:きっと、芳根さんもその可愛さを見せてくださると思うので、楽しみにしていただきたいです(笑)。

芳根:頑張ります(笑)。今の時代にここまで純粋なラブストーリーは逆に新鮮だと思うので、夫婦まるっと愛してもらえるようなキャラクターにしていきたいですね。

芳根京子「原作を愛して、大切に思って日々撮影に臨む」

──着物と海軍の制服など、昭和初期の衣装も本作の見どころの一つ。衣装を着た感想を聞かせてください。

芳根:衣装合わせでときめくようなお着物とか、お洋服をたくさん着せていただきました。実際に私の体に合わせてつくっていただいたものもあるので、楽しみですし、皆さんにも楽しんでいただきたいと思っています。

私は数年に1度、お着物を着る作品に参加させていただいているので、その経験は心強いですね。ただ、連続ドラマの約3ヵ月、毎日着るというのは初めてなので、ちょっとドキドキしていますが、なつ美を見て「お着物っていいな」「着てみたいな」と思ってもらえたらうれしいです。

本田:海軍の制服は、脇がすごくしまるんです。だからか、背筋が伸びて、シャンとした気持ちになるというか。当時の海軍の方もこういう気持ちだったのかなと思いました。

普段着の衣装は、今自分の私服として着ても違和感のないものばかりで、時代は回るんだな、と感じています。

──ビジュアル面や表情など、原作から取り入れたことがあれば聞かせてください。

芳根:いろいろとありますが…原作を持ち歩いて、台本にあるシーンを見比べていますし、目線の落とし方一つでも「どうすればなつ美らしくなるのかな」と、細かく確認しています。

とはいえ、実写化ですから、真似をするのは違うなと思っているので、原作からはヒントというかパスをもらうような感覚で。原作のなつ美とともに生きていけたらと思っています。

──やはり原作というヒントが身近にあると演じやすいのでしょうか?

芳根:昭和11年が舞台となっているので、当時の生活を経験した人が現場にはいません。ですから、どうしても想像で埋めなければいけない部分も多くて。そういうときに原作で描かれていることは、すごく助けになります。

まだ正解が見つけられていないのですが、しっかりと原作を愛して、大切に思って、日々撮影に臨んでいこうと思っています。

──本田さんはいかがですか?

本田:僕も芳根さんと同じように、原作と台本を見比べています。瀧昌は、困ったり、動揺したりすると、眉間に力が入りがちなのですが、そういう細かなことが原作には絵で描かれているので、とても参考になっています。