定信が帰ると家治は侍者を呼び、今夜、大奥へ出向くと申し付けた。

家治が選んだのは倫子。伝え聞いた倫子は、身なりを整えるため湯殿に向かう。湯殿で世話をしたのはお菊(ゆいかれん)。お菊に身体を洗ってもらった倫子だったが、湯殿から上がると待っていたお品に変な匂いがすると訴える。

慌てて湯殿を覗くとお菊の姿はなく、残されたぬか袋からは異臭が漂っていた。実はぬか袋の中身は松島の計らいで異臭を放つものに変えられていたのだ。倫子は直ちに身体を洗い直そうとするのだが、湯桶は異臭が溢れている。それでも倫子は諦めずに、お品に井戸の水をかけてもらい身を清めた。

その頃、家治が御寝所に行くとお知保が待っていた。

踵を返して戻ろうとする家治を田沼が止める。倫子に何かしたのかと問う家治に、自分ではなく奥女中たちだと答える田沼。そして、田沼は倫子が苦しめられる原因は世継ぎを作らないからだと迫り、家治のせいでまた人が死ぬと告げた。

実は田沼が握る家治の弱みとは、母のお幸(紺野まひる)が家重(高橋克典)に隠れて不倫していたこと。不倫相手との間に出来た子どもが竹千代(家治の幼名)であり、お幸は死の間際に田沼にそれを打ち明け、次第を隠してほしいと頼んでいた。

そのため、牢に閉じ込められた不倫相手は田沼によって殺される。その様を田沼は竹千代に見せつけていたのだ。

将軍に値しない出生の秘密を握る田沼に従わざるを得ない家治は、お知保が待つ御寝所に戻る。

一方、身体を洗い直した倫子が御寝所の前まで来ると松島に止められる。松島の企みだろうと声を荒らげる倫子。すると、松島はお知保に渡ることは家治が決めたことと返した。

自分の名を叫ぶ倫子の声を聞く家治だが、お知保に体を重ねて…。

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