<北野拓プロデューサー インタビュー>

――本作は「ニセモノ家族編」と「選挙編」に分かれていますが、分けた理由を聞かせてください。

日常に起こる問題や家族の問題を個人で解決するには限界があると日々感じていて、今の時代に家族ドラマを描く際に、その奥には政治があるということを描かないと誠実ではないと思ったのがもともとの出発点です。

国民的スターである香取さんが家族ドラマを演じた作品というと、『人にやさしく』(2002年/フジテレビ)や『薔薇のない花屋』(2008年/フジテレビ)などのヒット作があって、まずは香取さんの家族ドラマが見たいという方たちに見ていただけるように、前半では育児と仕事の両立、子どもの不登校、保育士の労働環境など現代の家族が抱える問題を扱いました。

 

 

その中で、個人ではどうしても解決できない理不尽さを主人公が感じ、世の中を変える必要性を実感し、選挙に出馬していくという流れにしたかったというのが当初からの狙いです。

――『人にやさしく』へのオマージュ作品ではないかという声もあがっていますが、意図的に行ったことでしょうか?

(『人にやさしく』のキャストだった)須賀健太さんや星野真里さんに出演していただいたことや保育園の名称が「フォーピース」だったことで、そう思われる方もいらっしゃいましたが、僕としては香取さんが過去に出演された作品へのリスペクトを込めたかったのと、わかる人にはわかる遊び心を入れたいという思いでした。最初から『人にやさしく』のオマージュをやろうという考えは全然ありませんでした。

 

左から)須賀健太、香取慎吾、星野真里

 

――香取さんのお芝居を間近で見て、どのようなことを感じましたか?

一平は香取さんにしか演じられない役柄だと改めて感じました。一平の抱える“光と影”の二面性を巧みに表現してくださいました。現場が最後まで温かい雰囲気で、一致団結できたのはまぎれもなく香取さんの存在のおかげです。

 

 

香取さんご自身も、7話のあのシーンは『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(2009年/TBS)の両津勘吉、9話のあのシーンは『新選組!』(2004年/NHK)の近藤勇だと思いながら演じたと、クランクアップ後に話してくださったので、ご自身の引き出しの中にあるものをすべて出しきってくださったのではないかなと思います。