望海風斗 雪組への組替えで「“花組の男役”を追求してきたことが個性になる」

宝塚歌劇団には5つの組が存在し、劇団員の中には、入団から退団まで同じ組に所属する人もいれば、組替えを経験する人もいます。蘭寿さんは花組から宙組に移動し、その後花組に戻り、トップスターに就任。望海さんは、花組から雪組への組替えを経験しています。
望海:蘭寿さんの退団が、ちょうど宝塚歌劇100周年(2014年)で、蘭寿さんの退団から組替えまでが、私の中でものすごいターニングポイントだったんですよね。

蘭寿:ああ。
望海:100周年という機会があって、辞められたOGさんたちが舞台に集まってパフォーマンスされるのを見学したときに(自分には)「個性がない」「自分の個性って何だろう」って思ったんです。みなさん、それぞれが全然違うから。私が舞台に戻って男役をやるってなったときに、自分は何が個性なんだろうって。「個性探ししなきゃ」みたいな。
蘭寿:へぇー。
望海:そんななか、今度は組替えって言われて。もう、ガビーンですよね。「花組の男役」ってことにすがって生きてきたのに、「私、花組って言えなくなっちゃうんだ」って。
蘭寿:うん。
望海さんが「一番最初に相談したのが、蘭寿さん」というと、蘭寿さんは「また新しい世界に出会えるよ。私、そうだったよ」と話をしたと振り返りました。

そして、それまで“花組の男役”を追求してきた望海さんは、雪組への組替えで「それが個性になる」と気づき「自分の男役像が生まれた」と明かしました。