<橋本淳 コメント>

――浜田尚を演じるにあたって、意識したことを教えてください。

とにかく葵のことを思うということ。過去のある一点から、常にそこを意識して生きてきたこと。妹のためにすべてを犠牲にしてきた、そしてこれからもどんなことになっても守ると自戒しているが、どこかそういったことも抱えきれなくなってギリギリの状態であるということ。もう終わりにしたい…と深層心理では思っていること。ということを表には出さずに、心の奥底に常に流れていることを意識していました。

――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

脳内映像の撮影シーンは、きっと今後経験することはないであろう、めずらしい撮影方法でした。まさか自分の眉間(みけん)に小さいカメラをつけて、カメラマンとして相手役を撮影し、画角に気を配りながら芝居をし、主観なのか客観なのか、脳内バランスがおかしなことになる不思議な時間でした。

狭い部屋の中でスタッフさんが誰もおらず、役者3人だけの密な空間で撮影をするという経験は、とても新鮮で刺激的でした。

中島裕翔さんとは現場で久しぶりの再会で、撮影の合間のわずかな時間にお話できたことが癒しでした。

――視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

自分でさえ自身のことをすべてわかることなんてことはなく、ましてや他人のことなんてわかることのほうが少ない、例えそれが血のつながった家族だとしても。

良かれと思ってやったことが、相手にとっては良くないことかもしれない。もちろんその逆も。断片だけではそれが本当の真実かはわからない。

ただ残された者はそこから想像するしかなく、そうあってほしいと願ってしまう。そんな欠落している記憶のすき間は、見ている方それぞれの想像が埋めていく。

僕が尚さんと歩いた道とは違う景色が、見る人の数だけある作品だと思います。ぜひ、それぞれの感受のままに楽しんでいただけたら幸いです。