社内イベント「AI Summer Fes」開催!生成AIで業務効率化や新しいはたらき方にチャレンジ
パーソルグループでは、中期経営計画2026において目指すべき方向性として「テクノロジードリブンの人材サービス企業」への進化を掲げ、グループの各事業・サービスがテクノロジー活用の取り組みを加速させています。
今回は、パーソルグループで生成AIの利活用を企画・推進する、ワークスタイルインフラ部 デジタルEX推進室の齊藤と田中にインタビュー。2023年度のスタートから1年余りで、2,000人を超える社員が集うようになった社内生成AIコミュニティ。その中で2024年夏に開催された大規模社内イベント「AI Summer Fes」について聞きました。
パーソルホールディングスが運営するWebメディア「TECH DOOR」では、パーソルグループ内で取り組んでいるITプロジェクトを紹介しています。本記事と併せてぜひご覧ください。
生成AIの基礎理解から実践・伝播のフェーズへ
ー社内での生成AI利活用の取り組みは昨年から行われていますが、2023年度の取り組み内容を簡単に聞かせてください。
齊藤:パーソルグループの生成AI利活用は、2023年10月から本格的に始動しています。活動当初は、生成AIを使ったことのない社員が多かったので、まずは「生成AIを理解しよう」「使ってみよう」を目的とした企画やイベントを実施してきました。
ー2024年度は一歩進んだフェーズに入ったのですね。
齊藤:そうですね。活動を通して徐々に社内でも生成AIを理解し、使いこなす社員が増えてきました。そのため、2024年度は「活用・伝播」をテーマに掲げて利活用を推進するフェーズに移しました。
基礎を理解し、個人が生成AIを業務に活用する事例を増やし、その価値を周りに、そして組織全体へと拡大することが会社の事業成長につながると考えています。
ー2023年度から運営してきた社内生成AIコミュニティの規模も成長したそうですね。
田中:はい。2024年11月現在、2,065人の社員が参加するコミュニティになりました。生成AIをすでに活用している社員の周囲を巻き込む力による影響も大きいのですが、社員の多様なニーズを感度高く拾い上げ、かつ前向きに学ぼうとしている声や熱量に応えるために、スピードを落とさずコミュニティを盛り上げてきたことが、コミュニティの成長に寄与したと考えています。
多様なニーズに応えるべく、フェス形式で社内イベントを開催
ー2024年度の大型企画として夏に開催された「AI Summer Fes」は、どのようなイベントでしょうか?
齊藤:「AI Summer Fes」は、7月から9月の期間で「新しいはたらき方を考える機会」として、約20種類の社内イベントをフェス形式で開催したものです。生成AIを活用した業務効率化に関する複数のイベントをまとめて展開しました。
ー「フェス」と聞くとお祭りらしくてワクワクしますね!何か狙いがあったのでしょうか?
齊藤:世の中で開催される「フェス」のイメージって、自分の興味のあるイベントや食べてみたいフードを自由に楽しめるじゃないですか。そのようなイメージで、期間中に生成AIや業務効率化を軸にしたイベントを約20種類用意し、自分の興味関心や業務で抱えている課題感などをもとに好きなイベントに自由に参加できる形式にしました。
ー今回は、生成AIコミュニティだけでなく、同じく社内で活動しているPower Platform*1のコミュニティと合同で企画を行ったのですよね。
齊藤:そうですね。皆さんのニーズを聞く中で、さまざまなツールを使いこなしたいというより、自身が抱える業務における目的実現のために、どのような手段があるのかを知りたい社員が多いことがわかってきました。両コミュニティとも同じ意識だったため、相乗効果を期待して合同で開催することにしました。
合同で行ったことで、2つのツールを組み合わせて業務効率化に励んだ社員やチームが出てきました。複数のツールを駆使してはたらき方を模索する社員が増えるきっかけになったと思います。
*1 Power Platform:Microsoftが提供する、データの分析やアプリの開発、ワークフローの自動化などを実現するローコード・ノーコード開発プラットフォーム
社員自らが生成AIの業務活用にチャレンジ!「AI STAR LABO」
ー「AI Summer Fes」では具体的にどのようなプログラムが展開されたのでしょうか?
齊藤:とにかくいろいろな立場の社員が個人のニーズにあわせて学べる機会にしたかったので、多種多様な企画をそろえました。たとえば生成AIのトレンドを専門家から学ぶ「生成AIトレンドインプット会」、言語モデルの仕組みを学べる「大規模言語モデル研修 基礎+実践編」。あるいは生成AI関連製品を展開している会社から講師を招いて業務改善の事例を学ぶ機会など、多岐にわたります。
「AI STAR LABO」や「Time Creation Relay(タイムクリエーションリレー)」などは、社員自らが生成AIの業務活用を実践・発表するイベントとして、オリジナルで企画したものです。
ー「AI STAR LABO」は、どのような企画だったのでしょうか?
田中:「AI STAR LABO」は、生成AIに関して同じ課題や目的を持つ「研究員(社員)」が1つの「ラボ(チーム)」として集まり、課題解決や目的実現の方法をともに研究してお互いのスキルを高めあうコミュニティ活動です。
ラボ自体は6月に立ち上がり、9月までそれぞれが自主的に研究活動を行いました。9月には活動の集大成として研究成果と成長を共有する場「AI STAR LABO研究発表会」を2日間かけて実施し、各チームで学びをシェアしました。
ー同じ関心ごとを持つとはいえ、初対面の社員が集まって一緒に研究するのはなかなか難しそうですね。
田中:そうなんです。最初立案したときは、正直不安でした。
でも結果的に全16ラボも立ち上がり、すべての発表を聞いたのですが、「生成AIで作業時間が4時間から2時間まで削減できた」「生成AIを使って新入社員の業務研修のプログラム開発に成功した」など、皆さんそれぞれすばらしい成果を出されていて。開発したプロンプトを他部門に売り込んだり、実際に自部門のメンバーに使ってもらったりと、組織を巻き込んだ活動をしてくれた方もいました。
チーム対抗・時間を積み上げる「Time Creation Relay」
ー「Time Creation Relay」についても教えてください。
齊藤:これは、7月から8月の1カ月間、生成AIを活用することで削減した時間を積み上げ、チームの成果を競う企画です。
社員が自分たちで自由に利用できる市民開発*2のツールは、業務効率化の成果を測るのが難しく、私たちとしても「○時間削減します」のようなKPIを立てづらいという課題がありました。
そこで生成AIによる業務効率化、はたらき方の変化を可視化するために、この企画を立案したというのが背景です。アンケートで削減できた時間を尋ねるのは簡単ですが、せっかくならちょっとゲーム性があり、参加したくなるような企画にしたいなと思い、こういう形にしました。
ーチームでともに時間を積み上げることで、生成AIを活用して業務効率化するモチベーションになりそうです。
齊藤:そうですね。結果的に約80人の社員に参加してもらい、チームも10個以上でき、各チームがかなりの時間を削減していました。これをきっかけに、組織内全員で一丸となって「削減した時間を積み上げよう!」「1位を取ろう!」のようなムーブメントを起こせたという声もあり、楽しみながら生成AIの業務活用に取り組んでもらえたと思っています。
*2 市民開発:非技術職の社員がノーコードやローコードツールを使ってシステム開発を行うこと
生成AIの活用を中長期的に継続する仕組みづくりが重要
ー「AI Summer Fes」を終えて、どのような成果があったと感じますか?
田中:「AI Summer Fes」という1つの冠で複数のイベントを行うのははじめての取り組みでしたが、想像以上に多くの社員が積極的に参加し、ポジティブな感想をたくさんもらうことができました。
齊藤:「AI Summer Fes」が終わり、部内のMVPに選んでいただくなど今回の実績を社内で評価してもらったと実感することも多く、我ながら「初めての取り組みだったけど、うまくできたな」という気持ちがあります(笑)。
当初は手探り状態でしたが、結果的に累計で1,787人の社員がフェスに参加し、生成AI活用の実践・伝播のフェーズに一体となって取り組めたのは良かったですね。
ーその一方で、新たに見えた課題もありましたか?
田中:今回のフェスを含めて、イベントの回数が純粋に多かったので、参加する社員の立場になると情報や参加するイベントの取捨選択が難しい場面もあったと想像します。来期は、こういった点を含めて、情報の出し方やプログラムの組み立て方で工夫が必要かもしれません。
齊藤:いかに生成AIを組織的に業務活用してもらうか、それを継続できる仕組みを作っていくことが今後の課題だと考えています。
フェス形式での開催をはじめ、各イベントや企画もはじめてやってみたことが多く、実験的な要素が大きかったのが今回の「AI Summer Fes」でした。それぞれうまくいきましたし、各自で成果を出してもらえた実感はありますが、今回の取り組みを一過性のイベントで終わらせるのではなく、いかに持続的な仕組みとして確立していくかが大切です。
継続して価値を最大化することで、パーソルグループの文化として根付くと考えているので、下期以降は「継続」を1つのテーマに、仕組みの構築にチャレンジしたいです。
生成AIは「個の可能性を広げてくれる存在」
ー約1年にわたる取り組みを通じて、生成AIに対する社内の意識に変化はありましたか?
齊藤:デジタルEX推進室が立ち上がった当初、経営層・マネジメント層では「生成AIを使おう」という意識があったものの、現場レベルでは「生成AIって何?」「使わなきゃいけないの?」というように温度差があったと思います。
約1年間、社内での生成AI活用推進の活動を続けてきて、現場にも浸透してきた実感はあります。抵抗感のようなものもなくなりつつあり、「業務に活かせるもの」と認識する社員が増えてきましたね。
田中:私も同じ感覚です。まだ生成AIの業務活用にチャレンジできていないけれど、すぐ隣でフェスが行われている様子を肌で感じて「私もやってみたいです」「どこから始めたら良いですか?」と前向きな問い合わせが増えてきましたね。
業務活用に有益なプロンプトをまとめて公開している「プロンプトギャラリー」や生成AIに関する発信を見て、最近入社した社員からも「パーソルに入社して生成AIの盛り上がりを感じる」「入社して私もハマっちゃいました」といった前向きな声をもらっています。昨年10月から継続して取り組んでいる社員はもちろん、新規の社員もどんどん入ってきてくれている印象です。
ー2024年度下期以降の取り組みは、どのようなものを予定しているのですか?
齊藤:2024年度の下期は、パーソル専用GPT「CHASSU」の大型アップデートがあるので、それに関連するイベントや、組織で活用するサポートをテーマに取り組みを企画しています。
あとは、学びの文化をつくるために「学びのポイント制度」を計画中です。「タイムクリエーションリレー」をイベントとして一定期間行いましたが、今後この取り組みを中長期的な取り組みにできるよう工夫したいですね。
ーパーソルグループの生成AI利活用について、今後の展望をお聞かせください。
齊藤:今年度は、まず生成AIを業務に活用しているという実績と成功例を生み出すことに注力しています。そのため、2025年3月までは組織で活用する例を増やし、生成AIで何かしら成果が出せている状態を目指して頑張りたいです。
一方で、生成AIをまだ使っていない潜在層もたくさんいます。成功例を生み出すサポートをすると同時に、潜在層をアクティブ層に取り込んでいく、そんな活動やケア方法も検討したいと思っています。
ー最後に生成AIの利活用は、パーソルグループにどのような可能性をもたらすと考えますか?
齊藤:生成AIが私たちにもたらしてくれる可能性は無限大です。生成AIを活用していること自体、企業価値向上につながると思いますし、社員の生産性向上や生成AI発信の新たなアイデア創出にもつながるでしょう。何よりも、個の可能性やキャリアの選択肢を広げてくれる存在だと強く感じています。
※2024年11月時点の情報です。
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