今年9月、最愛の一人娘で小学3年生のふうかさん(9)が、難病である先天性ミオパチーを発症していることを自身のブログで公表した星野真里さん。
公表と同時にふうかさんのInstagramを開設し、星野さん、夫(元TBSアナウンサーの高野貴裕さん)との日々の暮らしぶりをオープンに。
ハンディはあっても、さまざまなことを楽しみ、前向きに挑戦するふうかさんは、星野さん曰く「メンタルが強い」「負けず嫌い」の女の子。そのポジティブさに多くの反響が寄せられ、なかには「がんばりがすごい」「見習いたい」「ありがとう」という感謝の声もあります。
今回、めざましmediaでは星野真里さんにインタビュー。前編では、ふうかさんの病気について公開を決めた理由や反響、普段のふうかさんについて聞きました。
<【後編】星野真里「娘は目の前にいて、大好きって伝えられる。これ以上ほかに何がいる?」難病の娘・ふうかさんと“今”を生きる>
<星野真里 インタビュー【前編】>
――まず、ふうかさんが先天性ミオパチーであるとわかった経緯と、そのときの心情について教えてください。
妊娠期間も順調で、出産も、私としては非常につらく大変だったのですが、主治医の先生や看護師さんからは「安産だったね」という言葉をいただくほどでしたし、生まれてしばらくも、お乳もミルクもしっかり飲んでくれ、不安を感じることはありませんでした。
ただ、2、3ヵ月になってくると、同じ時期に生まれたお子さんが首がすわりはじめる時期で、そのような様子を目にしたり、耳にしたりするなかで、まったくそういう気配がないことに少しずつ違和感を覚えるようになりました。
それでインターネットで調べたり、周囲の人に相談してみたりしましたが、「子どもは個人差があるからね」と言われることが多く、自分自身もそうであってほしいという願いが強かったので、それ以上は考えないようにしていました。
その後、6ヵ月検診のときに勧められ、大きな小児科の病院で検査をして、最初は、それも筋肉の病気なのですが、別の疾患の疑いがあるとされ、筋肉の病気を専門に診る病院で検査をしてもらった結果、先天性ミオパチーの疑いがある、と言われました。
「この子には何かがあるんだろう」漠然と抱えていた不安
ですが、実際に診断を下すにあたっては、筋生検といって、全身麻酔で、筋肉の繊維をとっての検査をしなくてはならず、それをするには、少なくとも2歳は過ぎて、体もある程度大きくなっていないといけないということで、それを待って、検査した結果、初めて先天性ミオパチーという診断がつきました。
何が起きているかわからないけれど、きっとこの子には何かがあるんだろうという漠然とした不安をずっと抱えていたこともあって、さらには、最初に疑われた疾患が、外科的処置をしなければ2歳まで生きられるかどうかわからない…本当に想像をはるかに超えた大きな現実が来るかもしれないといったお話だったので、先天性ミオパチーという診断名が、むしろ希望というか、これからも一緒にいられる、この子の成長を見られるという、明るい情報に感じられました。 私自身、心が弱いので、そんな私のために、こういう道筋をつくって、病気のことをはっきりわかるようにしてくれたのかな、なんて思いました。
――そこから数年を経て、今年公表したのはどのような思いからでしょうか?
病気について調べるなかで、(ふうかさんと)同じ病気かもしれないというお子さまのことを積極的に発信されている方がいらっしゃって、それがすごく心の支えになったんです。
同じ状況かどうか、自分の子どもがどうなるかもわからないけれど、でも、どのような疾患、障がいであっても、こんなふうに生きられるんだ、こんなふうに笑えるんだ、寄り添えるんだと思えたことがすごく大きな支えで、とても心を強くしてもらえました。
そういうこともあって、自分たちを支えてもらっていることに、何かしら恩返しがしたいという思いがありました。
一方で、プライベートな話になりますし、私自身が役者という、イメージがついてくるような仕事をさせていただいていますので、はたして公表することにどれほどの影響があるのかわからなかったですし、公表して返ってきたものに、まず自分が耐えられるのか、という不安もすごく大きくて、悩みました。
社会福祉士の資格を取って知ったさまざまな現実
それでも、娘が大きくなるにつれて、支えられるさまざまな制度、支えてくださるいろいろな方の温かさを知って、40年近く生きてきましたが、自分が知らないことがこれほどたくさんあるのか、と驚かされました。そして、これほどあたたかい世界があるというのを、まだご存じでない方に知っていただきたいという気持ちが、公表したいという気持ちにつながっていきました。
ただ、それでは丸腰で入っていくようなものと感じ、自分を奮い立たせるための鎧(よろい)というのでしょうか、そういった“身に着けるもの”として、資格や知識がないだろうかと探すなかで見つけたのが、社会福祉士という資格でした。
実際、資格を取ったことで、今、娘は支援学級に通っているんですけれども、自分たちが思い描いていた共同教育、インクルーシブ教育(※)からは、程遠い現実があるというのを、より知ることができました。
(※)インクルーシブ教育…障がい、性的マイノリティ、社会的に養護が必要な子ども、外国にルーツのある子どもなど、誰も排除することなく、すべてを包み込む(インクルーシブ=inclusibe)ような教育のこと。
このままのんびりしていると、あっという間に娘は小学校を卒業してしまいます。何かを変えるにはどうしても時間がかかるものなので、動きだすならできる限り早いほうがいい、ということで、最終的に、Instagramで公表することにしました。
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