<中村佳穂 インタビュー>
――ナレーションを読み終えての感想を聞かせてください。
陽子さんの人生をちょっとだけ伴走できた気持ちになれて、光栄だなと思いました。
――納棺師に対してどんな印象を持ちましたか?
「人の役に立つ」という気持ちだけでは、到底成し遂げられないと感じました。
納棺師の方は毎日毎日、人の死に立ち会い、いろいろな思いを抱える家族に接していますが、それでも「何度も経験しているから大丈夫」とはいかない、強い覚悟が必要な仕事であると改めて感じました。
――もっとも印象に残っているシーンを教えてください。
陽子さんがご自身のお父様の納棺式を執り行っているときに、集まった親戚や地元の方がちょっとずつ会話をする、あの何とも言えない“距離”です。私にもどこか覚えがあるなと思いました。
ちょっと場を和ませることを言いたいけれど、知らずに誰かを傷つけてしまうんじゃないかと思ったり、「ここは笑っていいのかな?」と様子を伺ったり。
他人というほどではなく、でもお互いを近くで思いやるあの距離感を見ていて、自分の記憶を思い出しました。
――今回の映像ではご遺体が映る場面もあり(注釈テロップが表示されます)、納棺師のリアルな仕事ぶりが垣間見えます。
映像を見ながら、生と死の間のラインはどこにあるのだろう、と考えました。魂が抜けた段階なのか、魂がなくなっても肉体がある限り死ではないのか…不思議な気持ちになりました。
ご遺体が映る場面は、たいていご遺族もいらっしゃいます。皆さんの会話から、故人の生前の付き合い方や人となりを感じられて、悲しいだけではなく、少しあたたかい気持ちにもなりました。
――シングルマザーとして2人の娘を育ててきた陽子さんは、17年勤めた会社を辞め、48歳で納棺師の道へ。新しい仕事に挑戦する陽子さんを見て、どんなことを感じましたか?
人生を切り替えるところが、すごいと思いました。想像ですが、きっと年を重ねると「今から勉強するとお金がかかるな」とか「周りの人になんて言われるだろう」とか、“切り替えなくていい理由”を探すようになってしまう気がします。
でも陽子さんは、母の葬儀で納棺師という職業を知り、自分で情報を調べて、納棺師を育成する機関に入学。
若い生徒さんたちと一緒にやっていけるか、卒業できるかという不安もあったと思いますが、それでも入学を決めた姿に、「私もそうありたい」と思いました。
関連記事
小倉智昭 “老々介護”を2カ所で行う別居中の妻に感謝「自分のことはなるべく自分で」自宅での闘病生活ルーティン
2024年11月23日 |
06:00
佐野勇斗「悩みながら演じた」就活生役 自身は就職より起業!?「便利グッズとか“あったらいいな”を考えるのが好き」
2024年11月22日 |
07:00
桜井日奈子「負けるわけにはいかない」決意が固まらず、母に泣きながら電話…デビュー初期の“甘え”を変えた出来事
2024年11月21日 |
18:40
三上博史 伝説のミュージカル“ヘドウィグ”がライブ・バージョンで復活!「ありったけの気力と体力を使って撹乱するつもり」
2024年11月21日 |
17:00
【独自】16歳の寺田心にインタビュー 今の趣味は筋トレ! 子役デビューから13年…将来の夢は「獣医師と俳優」
2024年11月21日 |
15:04
名横綱の孫がモデルデビュー!嵐翔真・17歳が芸能界に嵐を巻き起こす!?「僕の渋さと色気にやられないよう気をつけて」
2024年11月17日 |
12:00