アメリカへ旅行をする際の「ESTA(エスタ)申請」をめぐり近年トラブルが増加していて、海外旅行者が増加する春休みやGWを前に特に注意が必要です。
国民生活センターの担当者は「申請サイトが公式サイトかどうかを確認して」と注意喚起をしています。

公式サイトだと信じ切って利用したら代行サービスだった

「ESTA(エスタ)」とはアメリカへ渡航する際、事前にインターネットで申請し承認を受ける“電子渡航認証システム”です。2009年から運用が開始されていて、この手続きを済ませていないとアメリカへ向かう飛行機や船に搭乗できなくなります。

ESTA申請にかかる費用は、アメリカ政府の公式サイトから自分で行うと21ドル(約3100円)なのです。しかし、トラブルに遭ったという女性を取材すると、アメリカ政府の公式サイトから申請するよりも約1万6000円も高い、約1万9000円を請求されたといいます。

実に6倍以上の費用がかかったという女性は、「本当に大使館のサイトから直接申し込んだと信じ切っていた」と、気づかないうちに“代行サービス”を利用していたことが後に判明しました。

羽田空港でアメリカへの旅行者に取材をしてみると、公式サイトと代行サービスを間違えて請求額にびっくりしたという人や、インタビューをするまで代行サービスを利用していたことに気づいていなかった人も。

海外旅行の需要が回復しつつある中、国民生活センターにもESTAの申請をめぐるトラブルについての相談が増加しています。
国民生活センターの平野秀和さんは「ネット検索結果の上位に表示されたサイトを公式サイトと思い利用し、トラブルになっているパターンが多く見受けられる」と指摘しています。

ESTA公式サイトの見分け方

こういったトラブルを避けるため国民生活センターの平野さんは「まず申請するサイトが公式サイトかどうかをよく確認してください」と呼びかけます。

ではどのように確認すればいいのでしょうか?

ESTA申請をめぐっては、在日アメリカ大使館のサイトにも「模倣サイトに注意!」「公式サイトは1つだけ」という文字と共に公式の申請ページのURLが示されています。

実際にアメリカ政府公式のESTA申請サイトを見てみると…右上の言語タブから「日本語」を選択すると、サイトの表記が日本語に変わり、左上には「国土安全保障省の公式ウェブサイト」との表記が確認できます。

他にも次のような点を確認する必要があるといいます。

  1. インターネットで検索した際、上位に表示されるサイトが公式サイトとは限らないため検索結果をよく確認する
  2. 公式サイトではない場合、サイト内の利用規約などに「代行」や「手数料」などの記載があるため隅々まで確認する

アメリカへの旅行や乗り継ぎの際は、ESTA申請の代行サービスに注意が必要です。