フジテレビの情報番組『とくダネ!』でメインキャスターを務めた小倉智昭さん(76)に、『ノンストップ!』がインタビュー。
小倉さんは2016年、膀胱がんを公表。その後もがんの転移が判明しステージ4と診断される中、現在も闘病を続けています。
8年に及ぶ、がんとの闘い。小倉さんがいま伝えたい思いとは?
現在の胸の内を語ってくれました。
(聞き手:ハリー杉山さん)
膀胱がんを発信する使命感
――2016年に「膀胱がんと今、向き合っている。ただ、すぐカムバックします」と発表されました。重くない感じで『がん』という言葉と向き合っているのが、とても印象的でした。
小倉:
「予定よりも早く退院できたんだよね。それは人よりちょっと体が強いからか、運が良かったからなのかもわからないけど、今は『がんは2人に1人がかかる』と言われているわけで、『人間はがんには負けている』という感じがするじゃない。
でも、どこかで勝っていかなきゃダメだし、そのためにはみんなが「がん」を知ることが大事。俺だってがんにそんなに詳しくなかったわけだよね」
膀胱がんは、尿をためる袋状の臓器「膀胱」にできるがんのこと。
小倉さんは微量の血尿が出たことで異変を感じ、医師の診察を受けたところ、判明したといいます。
小倉:
「膀胱がんになった時、調べようと思うと、膀胱がんってほとんど出てこないんだよ。
胃がんとか大腸がんって何十ページにも渡ったり、子宮がんも何十ページも書いてあるけど、膀胱がんは3ページぐらいなんだよね。
60歳を過ぎると膀胱がんの確率が高くなって、膀胱がんは致死率が高い(周囲の組織に浸潤・転移した場合)というのは知っていたけれど、たばこが原因になるということは意外に知らなかった。
たばこは散々吸っていたけど、「肺がん」と思うでしょ?」
自身が膀胱がんになり、今は“ありのまま”を発信する気持ちがあると話します。
小倉:
「そういうことも知ると、それを伝えなきゃいけないと思う。
膀胱をとって、代用膀胱を作ったりすると、お手洗いやおむつの問題もあるじゃないですか。でも、そういうのはみんな話したがらない。
誰かが話さないと膀胱がんってあまり非のイメージがない言葉の響きなんだろうな。
どうせだったら僕が話した方が少し役に立つかなと思ってね」
闘病中に生死の境目さまよう
小倉さんは、がんになった事を『とくダネ!』の生放送で公表。
番組では「1週間だけお休みをして戻ってきます」と伝えていました。
しかし、この時の手術では、すべてのがんを取り除くことはできず、2年後には、膀胱を全摘出することに。
さらに、『とくダネ!』終了後の2021年には、がんが膀胱から肺に転移していることが判明。
半年間、仕事を休養することとなりました。
この時の闘病生活で、小倉さんは“ある体験”をしたといいます。
小倉:
「副作用が激しくなっちゃって、それで“三途の川”を見たっていう。だから死にかけた。
(亡くなった父が)『もう、そろそろ行くか?』と言うから『オレは行かない』って。
(父と)一緒に行っていたら今ここにいなかったかもわかんない」
ーーお父様と夢の中で対面した後、起きたときのことは覚えていますか?
小倉:
「覚えているの。『あれ?』と思って、実際に臨死体験っていうものなのかなと思ってね」
生と死の境目から帰還し、仕事へと復帰した小倉さん。
しかし、この日から約1年後の2023年。
小倉:
「腎臓全体が全部がんで、それで、とった周辺にもがんがあるから」
今度は血液をろ過して尿をつくる臓器「腎臓」にがんが見つかり、2023年12月に左の腎臓を全摘出。
周辺に広がったがんも、2月末から本格的な治療に入るといいます。
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