『監察医 朝顔』(第2シーズン)第17話完全版

朝顔(上野樹里)は、娘のつぐみ(加藤柚凪)を手伝って、バレンタインデー用のチョコレートクッキーを焼く。保育園の男の子に渡したいらしい。それを知った桑原(風間俊介)は、まだ早すぎると騒ぎ、平(時任三郎)を呆れさせる。

テレビからは、震災以降、月命日のたびに捜索活動を行ってきた宮城県警と地元消防団の活動を紹介するニュースが流れていた。

そんな折、興雲大学法医学教室に生後8ヵ月の女児・田崎咲良の解剖依頼が入る。母親の直子(岡崎紗絵)によれば、食事の支度中に目を離したわずかの間に意識がなくなっており、すぐに救急搬送したが間に合わなかったのだという。

朝顔たちによる解剖の結果、死因は気管にプラスチック製のおもちゃが詰まったことによる窒息死と判明する。だが、野毛山署強行犯係の忍(ともさかりえ)や岡島(斉藤陽一郎)は、虐待の可能性はないのかと朝顔に尋ねた。

直子はシングルマザーで、生活も楽ではなかったらしいが、いずれにせよ子どもが亡くなった場合は虐待の可能性を考慮しないわけにはいかないというのだ。そして忍たちは、直子のようすがどこかおかしいとも感じていた。

朝顔や光子(志田未来)たちも、娘の死を悲しんでいるように見えない直子に戸惑いを隠せなかった。朝顔は、直子がまだ娘の死と向き合う準備が出来ていないのではないか、と感じていた。

同じころ、平は茶子(山口智子)と会っていた。そこで平は、人生の後始末をしたいからそれを手伝ってほしい、と茶子に頼む。茶子は、朝顔たちのことを忘れてしまうのが辛い、という平の思いを受け止め、親友だからそういう話をされても困らないと返して、協力することを約束する。

夕方、朝顔と一緒に帰宅したつぐみは、クッキー作りをやり直すと張り切っていた。その際、つぐみは、弟ではなく妹がくることになったと言い出し、朝顔や平を驚かせる。夜、平は、妻・里子(石田ひかり)の話がしたいと朝顔に告げる。それを録音した朝顔は、帰宅した桑原にすぐそれを報告した。

そこに、階段から落ちた乳児が救急搬送されたという電話が入る。児童虐待防止の委員会に入った朝顔に、明日の朝、傷を見てほしいという連絡だった。

あくる日、朝顔が病院へと向かうと、そこに忍と森本(森本慎太郎)がいた。階段から落ちた生後10ヵ月の乳児・清水杏奈は、容体が急変し、亡くなってしまったのだという。

朝顔や光子らによる解剖の結果、杏奈が階段から落ちたのは間違いないと思われた。だが朝顔は、胸腺が小さいことが気になっていた。胸腺は、栄養不足やストレスが与えられている場合などに委縮するからだった。

ほどなく、杏奈の両親、篤史(武本健嗣)と明菜(鳥羽まなみ)がやってくる。杏奈と対面した明菜は、号泣し、娘の遺体にすがった。が、まだ杏奈の遺体を連れて帰れないと聞くと、突然、スマートフォンで娘の写真を撮り始め、忍に止められる。そんな明菜のようすに違和感を抱いた森本は、山倉(戸次重幸)に事情を伝えて、自宅を調べてみると朝顔に告げる。

夜、万木家に忍がやってくる。夕食の支度をする朝顔を見ていた忍は、ふいに何かに気づいたようで…。

翌日、法医学教室に茶子が訪れる。茶子は、杏奈の両親にエンバーミングを勧めたが、金がもったいないと断られたのだという。念のため、明菜のSNSをチェックしていた光子は、彼女が棺の中にいる娘の写真を投稿していることを発見していた。朝顔と光子は、杏奈の人生がこんな形で終わって良いはずはない、と再調査を始めた。

その結果、杏奈の死因は転落死ではなく、肋骨が折れ、脳が損傷するほど揺さぶられたことが原因だったことを突き止める。連絡を受けた山倉は、ただちに清水夫妻に任意同行をかけるよう、部下たちに指示する。

自宅にいた平は、1本の電話を受ける。平は、冷蔵庫に貼ってあった紙にメモを取るが…。

直子の娘・咲良についても検査を続けていた朝顔は、野毛山署に連絡を取り、改めて直子と面会する。朝顔は、咲良を連れて帰れることになったと直子に告げた。

だが、このまま預かってほしいと言い出す直子。咲良が死んだという実感がない直子は、誰かに預かってもらっているだけでまた元気に戻ってくると思っていれば何とか耐えられる、というのだ。朝顔や茶子たちは、そんな直子の気持ちに寄り添い、ひとりで苦しむ必要はないと言葉をかけた。

朝顔がつぐみを引き取って帰宅すると、玄関先で平が待っていた。平は、手に電話番号と田所という名前が書かれたメモを持っていたが、何のメモかわからないという。朝顔がその電話番号にかけてみると、相手は青森県警の捜査一課だった。里子の遺骨の一部が見つかったという知らせだった。

朝顔は、大事な内容を忘れてしまったことにショックを受けている平を気遣いながら、明日、青森まで里子を迎えに行こうと告げる。

平とともに青森県警を訪れた朝顔は、小さな箱に入っている里子の遺骨を手渡される。青森市の漁師が発見したのだという。ふたりはその足で浩之(柄本明)のもとへ向かい、里子が見つかったことを報告する。それは、小さな指の骨だった。朝顔は、浩之が見つけた歯が里子のものだったと嘘をつこうとしたが出来なかったことも浩之に伝えた。

朝顔と平は、里子の遺骨を持って万木家に戻った。改めてその遺骨に挨拶をする桑原。そこで朝顔は、母も帰って来てくれたから、と言って、第二子を妊娠したことを皆に報告した。

そのころ、仙ノ浦では、浩之が静かに息を引き取り…。

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