中村勘九郎さんと長男の勘太郎さん(12)が、2月15日「江戸歌舞伎発祥の日」に、都内の記念碑前で取材会を行いました。

現在上演中の公演で急成長を見せる12歳の勘太郎さんに、父・勘九郎さんは「日々進化してうれしい」と喜びを語りました。

「江戸歌舞伎発祥の日」は今から400年前の1624年2月15日。

初代勘三郎が、江戸で初めて幕府の許しを得て
芝居小屋『猿若座』(後の『中村座』)を建てたことから江戸歌舞伎が発祥したとされ、
1957年、中央区京橋に記念碑が建てられました。

2005年の記念碑リニューアル除幕式には、中村勘九郎さんの父・十八世中村勘三郎さんが参加。
その勘三郎さんの十三回忌追善『猿若祭二月大歌舞伎』が、現在、歌舞伎座で上演されています。

勘九郎さんは
「400年の節目の日にこうやって勘太郎と一緒にこの地にいられるのもそうですし、
父の十三回忌に勘三郎という名前がついた猿若祭になったというのは、
向こうに行っても父のプロデュース能力にちょっと鳥肌がたちました」
と、亡き父・勘三郎さんに思いをはせ、コメントしました。

今回の『猿若祭二月大歌舞伎』夜の部では、江戸歌舞伎の発祥を題材とした中村屋ゆかりの舞踊劇『猿若江戸の初櫓(さるわかえどのはつやぐら)』を上演。

主役の猿若はこれまで、十八世勘三郎さんが30歳、勘九郎さんが22歳で演じてきましたが、
今回は勘太郎さんが、12歳の若さで演じています。

中村勘太郎さんはこの大役に、
「今までで一番難しい踊りだったので、汗だくで稽古しています。結構緊張したりすることもありますね」
とコメント。
代々受け継がれてきた役に責任の大きさを感じつつも、日々全力で稽古に取り組んでいることを語りました。

そんな長男・勘太郎さんについて、父・勘九郎さんは
「12歳で挑戦する項目ではないと思っていましたが、彼が本当に稽古熱心で、何よりも芝居が好きなので、その熱意を感じて、彼に演じてもらいます。
やっぱり吸収力というか、お客様のパワーもそうですが、共演者の方々から力をもらって日々進化しているのでうれしいですね。」
と、息子の成長を素直に感じ、喜んでいました。

「猿若祭二月大歌舞伎」の公演は2月26日まで行われます。