<日向亘&梅澤美波&上田誠 コメント>

左から)上田誠、日向亘、梅澤美波

上田:(ドラマの誕生経緯は)最初に“復讐モノ”というお題をいただいて。(このドラマは)“復讐”ドラマ枠のシリーズの中でも4作目だから…それまでに、いろいろなストレートの球は投げられているであろうなか、“変化球の復讐モノを”と考えながら(企画案を)持っていきました。何案か持っていったなかに、まさかこれには決まらないだろうと思いながらも「超好きな企画なんですけど」と(このドラマ企画を)忍び込ませたら、打ち合わせですごく盛り上がって。そこから、一気呵成(かせい)に考えました。

日向:デスゲームものって、主人公が何かに巻き込まれるパターンが多いと思うので、(このドラマも)「そういうお話なのかな」と思ったら、まさかの「デスゲームを使って復讐をする」という、考えたこともない企画だったので(笑)。「デスゲーム作品で、こんなアプローチの描き方もできるのか」と思いました。台本を読む手が止まらなくなったのを、今でも覚えています。

日向亘

梅澤:私も「これは、考えたことなかった視点だ」と思って、一気に(台本を)読んでしまったくらい、おもしろかったです。これまで、デスゲームものにいくつか触れてきたのですが、(このドラマは)「フィクションだけど、リアルにとらえやすい」というか。我々が生きているテレビ業界が舞台ということもあって、ドラマの世界にすごく入り込めました。

上田:おっしゃる通りで、デスゲームなんかこの世界にない…実はあるのかもしれませんが(笑)、基本的には“ない”とされているものの裏側を描くという、トリッキーなドラマなんですけど、それだけにリアリティにこだわりました。特に気に入っているところは、(日向さん、梅澤さん)お2人が、すごく真面目にやっているところです。”デスゲームの仕事が終わった帰り道の場面”とか。そんな仕事ないのに(笑)。

左から)梅澤美波、日向亘、上田誠

日向:確かに!冷静に考えてみれば、そうですね(笑)。麻痺(まひ)っちゃってましたね、たぶん(笑)。僕らは(デスゲーム会社で働くことに)まっとうしていたので。

梅澤:本当に真面目に。ね(笑)。

上田:そうなんですよ(笑)。「いや~、デスゲーム作り頑張っていこうね」みたいな感じで、“デスゲーム”という存在しないものを、完全に“ある”感じでやっているのが、めっちゃいいなと思います。そう、ずっと変なことやっているんですよ(笑)。第1話の後半からずっと変なんです(笑)。

日向:今回、初単独主演ということもあって…「自分の演じる役がもととなって物語が進んでいく」というのが初めてで、すごく役者としてもいい経験をさせてもらったなと思いましたし、 しかもそれが、上田さんが温めに温めた企画ということで(笑)、本当に光栄に思いました。

梅澤:(私が演じる)和の場合は“過去の復讐”という原動力がありますが、“仕事に向き合っている”という面では共感できるというか…。和の過去と今(の描写)があるからこそ、差をつけることが難しくもあり、すごくやりがいがありました。ドリーミア(戸村、和が働く制作会社)のみんなと働いているときにも、常に(軸が)心の中にある役で、やりがいを感じていました。

梅澤美波

上田:僕は作家であり、「自分もこの悔しさはめっちゃわかるな」と(戸村に共感できました)。一人芝居っぽいところというかね。和も過去の復讐(ふくしゅう)に目覚める場面とか、エモーショナルなところが、見ていてとても気持ちがシンクロしました。見ていて「めっちゃ、2人の関係がハマっているな」と思うところばっかりだったんですよ。これ、“デスゲームドラマ”とか言いながら、めっちゃ、会話劇なんです。それぞれに復讐の気持ちや思いはあるけど、それはさておいて“普段の会話”があり、社会生活の中で割と楽しい瞬間もあり、みたいな。

上田誠

日向:僕も、「会話の生っぽさ・リアルさで、いかにファンタジーな部分を、実際にあるものと錯覚させるかだな」と思いながら、台本を読ませてもらっていました。

上田:(ドラマ中も)仕事の日常会話がめっちゃ多いけど、それがすごく軽妙で。いいチーム、いい会話やなと思っていました。和さんがアルバイトしている場面とか、あんまり本編には関係なさそうな場面ですけど、それをちゃんと描いていることで「現実に生きている人なんや」ということがわかるし。デスゲームをやっている人たちなのに、愛せるし。そういう丁寧な、日々の積み重ねみたいな部分が、ちゃんとあるなと思います。

左から)梅澤美波、日向亘、上田誠