ヤンシナ大賞受賞脚本に木戸大聖「非現実的だけど現実的な設定が面白い」

──脚本を読んだときの心境、感想を聞かせてください。

木戸:宝くじに当たることって、誰しも1回は夢見ますよね。当たること自体は非現実的だけど、“誰もが当たる可能性はある”という意味では現実的で。そんな宝くじを24歳の男の子4人が当たったら、という着眼点はすごく面白いなと思いながら脚本を読みました。

会話劇で、いろいろな感情がそこにあるんですけど、現場に入る前にはそういう脚本をこの4人で演じられることが楽しみだなと思っていました。

山下:読めば読むほど面白くて、「早く撮影に入りたい!」という気持ちで。読み合わせの時点からすごく楽しみでした。

西垣:4人ともすごく個性的なキャラクターだなと感じていました。ただ、会話劇なので、セリフ量も多いですし、大変だなと思いながら「頑張ります!」という気持ちで脚本を読みました。

豊田:僕は、最初に脚本を読んだときに「自分が7億円当たったら何しようかな」って考えました(笑)。「ここまで友人とお金を取り合うのかな」と疑問に思うこともたくさんあって。

そのなかで、小さい頃から一緒に生活をしている4人に宝くじが当たるという、背景設定があるうえでのストーリーが…どうやったら表現できるかな、と考えながら読みました

──それぞれが演じた役とご自身の共通点はありますか?

木戸:新条彰は4人の中ではリーダー的な存在で、シェアハウスを始めたのも彰なんじゃないか、と監督と話したことがあって。今回、3人と一緒にしっかりお芝居をするのが初めてだったのですが、僕が一番年上ですし、リーダーシップというか引っ張っていく空気感は生かせるかもしれないと思っていました。

現場に入る前は「いっぱい会話をして関係性を築けたらいいな」と思っていましたが、入ってしまえば、本当に4人が一緒に暮らしているんじゃないかというくらい、和気あいあいとしていて。共通点ということではないですが、自然と彰としてその場にいられたなと思っています。

山下:川上潤は、4人の中で一番テンションが高い、ムードメーカーです。思ったこと、感じたことを全部口に出すし、体に出すし…そういう役を今まであまりやってこなかったので、個人的には挑戦でした。

僕自身は割と俯瞰で見るタイプなので、潤との共通点はなくて…。でも、ギャップがあるからこそ演じていて楽しかったです!

西垣:今川優人は、いるだけで場が和むというか、柔らかい雰囲気を持っている人。潤とは対照的で、自分から何かを話すよりも、人の話を聞いているほうが楽しいと思えるタイプです。

僕も自分からはあまり話をするタイプではなくて、撮影中も、4人で一緒にいても1人で本を読んでいることもありましたし、そういう点は優人と似ているのかなと思いました。

豊田:春日司は、最初に脚本を読んだときは「なんかすごく怒ってるな」ということと、頭が良くて言葉数がすごく多いので常に早口でしゃべっている印象で(笑)。でも、怒りだけではなく冷静さも持っているし、4人の中で最後に何かを決断するのは司なんだろうなと感じていました。

そんな司と似ているところは…僕も撮影している頃、ちょっといろいろと葛藤することがあって。だから、司を演じることで発散させてもらいました(笑)。撮影時の僕自身と司の気持ちはリンクしていたと思います。