初のハリウッド映画『ラスト サムライ』で「おかしいところは直していこう」切り拓いた未来
トム・クルーズさん主演で、明治維新前後の日本を描いた『ラスト サムライ』。多くの日本人俳優が起用されたこの作品に、真田さんは並々ならぬ思いを抱いて参加しました。
真田:日本でやっていた時には「ハリウッドにちゃんとした日本もの(時代劇)が撮れるのか?」と疑問視をする側だったので。ただ、「待てよ、もし誰かがこの役をやるんであれば、不安を抱いている自分が飛び込んで、正していけるんじゃないか」っていう。「おかしいところは、できる限り直していこう」という思いで飛び込んだんですね。
それが全部終わったときに各ポジションのチーフから食事に呼ばれて、「あぁ、嫌われてるんだろうなぁ」と思って行ったら、「お前の情熱に、この業界に入ったころの情熱を思い起こさせてもらった」みたいなことで「乾杯」と。もう胸が熱くなって、今でも思い出すとね、こう…くるんですよね。
真田:あ、これは、もしかしたら、洋の東西に壁があるとしたら、自分の世代で壊せるんじゃないのかな、と。それで、その2年後くらいに、決まっていた仕事を全部終えて、ハリウッドでの生活をスタートさせて。
ハリウッドで、自分が納得する時代劇を作る。『ラスト サムライ』から20年、それが現実となります。